ベンティンク(読み)べんてぃんく(英語表記)William Cavendish Bentinck

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベンティンク」の意味・わかりやすい解説

ベンティンク
Bentinck, Lord William (Henry Cavendish)

[生]1774.9.14. バルストロード
[没]1839.6.17. パリ
イギリスの軍人,イギリス領インド政治家。マドラス管区知事 (1803~07) をつとめたのち,シチリア駐在イギリス軍司令官となったが再びインドに渡り,1828年ベンガル総督となり,33年ベンガル総督がインド総督と改名されると,そのまま初代インド総督となった (33~35) 。彼の行なった施策サティー (寡婦殉葬) の全面的廃止,インド人の官吏任用,その他財政,司法,教育などの改善がある。帰国後,下院議員。

ベンティンク
Bentinck, Lord (William) George (Frederick Cavendish)

[生]1802.2.27. ノッティンガムシャー,ウェルベック
[没]1848.9.21. ノッティンガムシャー,ウェルベック
イギリスの政治家。4代ポートランド公爵の第5子。数年間陸軍に勤務したのち,1828~48年下院議員。初めホイッグ党であったが,次第にトーリー党移行。 R.ピール穀物法撤廃法案に反対して,保守党内の保護貿易主義者を結集して法案成立阻止に専念した。政治家としての能力を十分発揮しないうち急死

ベンティンク

「ポートランド(伯)」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンティンク」の意味・わかりやすい解説

ベンティンク
べんてぃんく
William Cavendish Bentinck
(1774―1839)

イギリスの貴族、軍人。東インド会社のベンガル総督およびインド総督(在任1828~35)。インド統治上では県収税官と県判事との兼職制の実施、下級行政・司法職へのインド人登用、北西州の地租行政の整備、寡婦殉葬(サティー)慣行の禁止など一連の改革と、シンド諸領邦およびパンジャーブシク王国との外交通商関係の締結アフガニスタン王位継承への介入準備とで知られる。任後下院議員に選ばれた。

高畠 稔]

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