マルチタスク(読み)まるちたすく(英語表記)multitask

精選版 日本国語大辞典 「マルチタスク」の意味・読み・例文・類語

マルチ‐タスク

〘名〙 (multi-task) 一台のコンピュータで、二つ以上のプログラムを同時に実行すること。通信ソフトでダウンロードしながら、ワープロソフトで文書を作成することなど。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「マルチタスク」の意味・読み・例文・類語

マルチタスク

[名・形動]multitaskingから》
二つ以上のプログラムを、1台のコンピューター内で見かけ上同時に実行すること。あるプログラムの入出力の待ち時間中に、他のプログラムを実行すること。プログラムの切り替え方により、プリエンプティブマルチタスクノンプリエンプティブマルチタスクの二つの方式がある。マルチプログラミングマルチプロセス
同時にいくつかの仕事をすること。また、そのさま。「マルチタスク法律家」「マルチタスクな活動」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルチタスク」の意味・わかりやすい解説

マルチタスク
まるちたすく
multitask

コンピュータで複数のタスク(作業・処理)を並行して行うこと。「コンカレント処理」ともよばれる。MS-DOS(エムエスドス)のように、同時に二つ以上のタスクを実行できないことをシングルタスクという。マルチタスク機能を使うと、ウェブブラウザでインターネットのサイト情報を見ながらワープロソフトで文章を書き、さらに表計算ソフトで統計グラフをつくるといった複数の作業を、それぞれのソフトの機能を瞬時に切り替えながら行うことができる。この処理を行うパソコンOSオペレーティングシステム)はマルチタスクOSとよばれ、Windows(ウィンドウズ)やMac OS(マックオーエス)などがそれにあたる。また、パソコン以外でもサーバー用途で使用されることの多いLinux(リナックス)に代表されるUNIX(ユニックス)系列のOSや、iOS(アイオーエス)やAndroid(アンドロイド)など、スマートフォンなどで使用されているOSも、すべてマルチタスク機能を有している。

 マルチタスクには、疑似マルチタスク(ノンプリエンプティブ・マルチタスク)とプリエンプティブ・マルチタスクがある。Windows 3.1やバージョン9以前のMac OSは前者で、実行中のタスク制御をアプリケーション側に依存し、各アプリケーションが作業にあわせて協調的な動作を行うことで、疑似的なマルチタスクを実現していた。一方、後者は、タスク制御をOSが管理し、コンピュータのCPU(中央演算処理装置)の能力にあわせて各アプリケーションを実行するもので、NT、2000以降のWindows OS、Mac OSX以降に使われている。また、Windows 95、98は、Windows 3.1との互換性確保のため、動作させるアプリケーションによって前者と後者を使い分けていた。なお、「マルチタスク」ということばは日本電気が商標登録している。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

IT用語がわかる辞典 「マルチタスク」の解説

マルチタスク【multitask】

コンピューターで、一度に複数の処理を実行できるシステム。実際には、プログラムをタスクに区切り、切り替えながら実行を進める。切り替え方式にはプリエンプティブマルチタスクノンプリエンプティブマルチタスクの2つがある。UNIXWindowsMac OSなど、一般的に使用されているオペレーティングシステムの多くがプリエンプティブマルチタスクを採用。⇔シングルタスク ◇「マルチプロセス」「マルチプログラミング」「マルチタスキング」ともいう。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「マルチタスク」の解説

マルチタスク

複数の処理をタスクという単位に区切り、並行して実行すること。CPUは複数の処理を完全に同時には実行できないため、OSがタスクを管理して切り替える。マルチタスクには、OSが強制的に処理を切り替えられるプリエンプティブ・マルチタスクと、アプリケーションが処理を終えるまで切り替えられない擬似マルチタスクの2種類がある。マルチタスクが可能なOSをマルチタスクOSというが、現在のWindows、Mac OS X、Linuxといった、パソコンで利用できるOSはすべてマルチタスクOSである。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「マルチタスク」の解説

マルチタスク

音楽CDを再生しながらウェブページを見るというように、複数の作業を同時に行う機能のことです。どんな作業をしていても、画面の時計が動き続けているのもマルチタスクのおかげです。本当はひとつのCPU(コア)が一度に処理できるのはひとつの作業だけです。OSが複数の作業を細かく分割し、すばやく切り替えながら実行することで、見かけ上、複数のソフトが同時に動いているように見えるのです。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android