コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ミサイル艇 ミサイルていguided missile boat

世界大百科事典 第2版の解説

ミサイルてい【ミサイル艇 guided missile boat】

対艦ミサイルを搭載する比較的小型の軍艦をいう。1967年にイスラエル駆逐艦〈エイラートEilath〉はアラブ連合(現,エジプト)のミサイル艇から発射された3発の対艦ミサイルにより撃沈された(エイラート号事件)。対艦ミサイルにより軍艦が撃沈されたこの事件は,各国海軍に対艦ミサイルとミサイル艇の有効性を認識させ,これ以降ミサイル艇が各国で計画・建造されるようになった。ミサイル艇は1960年代に誕生したが,初期のものは,魚雷艇の魚雷に代えてミサイルを搭載したという程度のものであった。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ミサイル艇
みさいるてい
guided missile boat

高速戦闘艇fast attack craft(FAC)の一種で、対艦ミサイル(SSM)を搭載し基準排水量500トン以下、全長が30~70メートル程度、速力おおむね30ノット以上で、水上艦襲撃能力を備えた小型高速水上艦艇。射程の長いSSMを主兵装とするため、かつての魚雷艇のような避退時のスプリント力(短時間限定高速力)よりも巡航速力と航続力が重視されている。1959~60年ソ連(現ロシア)で完成のコマール級Komar Class(70トン)とオーサ級Osa Class(165トン)が最初のもの。1967年第三次中東戦争でアラブ連合(現エジプト)の艇(コマール級)が、イスラエル駆逐艦エイラートElathを撃沈して、ミサイル艇の有効性が認識され、多くの海軍が建造、保有するようになり、攻撃力のわりに安価なため中小国でとくに重用されている。搭載武器の射撃管制装置、戦闘情報処理装置、通信装置、電子戦装置等の装備・強化や、機動力および耐波性能の向上、対艦ミサイルの性能向上を含めた兵装強化、ステルス技術の導入により、ミサイル艇は逐次大型化し、現在では基地依存度が高く近海面で使用する150トン前後の艇と、基地を離れて洋上で作戦しうる、高速航続力に優れた300~500トン程度の艇に大別され、ほかに高速力と波浪中の行動能力を重視し、水中翼艇方式のものもつくられている。ノルウェーは、この艦種として初めて表面効果船SES(surface effect ship)型船体を採用し、速力44ノット、徹底した対レーダー・ステルス対策を施したシェル級Skjld Classを1999年に完成させている。日本の海上自衛隊においても、ステルス性を考慮した高速ミサイル艇「はやぶさ」型が就役している。国によっては、汎用の小型水上戦闘艦艇として艤装(ぎそう)、あるいは兵装転換機能をもたせて、コルベットに近い任務の艇にしているものもある。[阿部安雄]
『堀元美・江畑謙介著『新・現代の軍艦』(1987・原書房) ▽『世界の艦船第502号 特集 現代の高速戦闘艇』(1995・海人社) ▽『世界の艦船第560号 特集 高速戦闘艇の新動向』(1999・海人社) ▽『世界の艦船第597号 特集 ミサイル艇』(2002・海人社) ▽Antony PrestonStrike Craft(1982, Bison Books) ▽Christopher ChantSmall Craft Navies(1992, Arms & Armour Press) ▽Stephen SaundersJane's Fighting Ships 2010-2011(2010, Jane's Information Group)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ミサイル艇の関連キーワード海上自衛隊大湊地方隊マレーシアコルベット女性自衛官水中翼船地方隊哨戒艇自衛艦

今日のキーワード

へうげもの

日本のテレビアニメ。放映はNHK(2011年4月~2012年1月)。原作:山田芳裕による漫画作品。制作:ビィートレイン。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ミサイル艇の関連情報