精選版 日本国語大辞典 「魚雷」の意味・読み・例文・類語
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
魚形水雷の略称。水中を自走し水上または水中の艦船を攻撃する兵器。艦艇や航空機から発射(投下)される。艦艇からの場合、甲板の魚雷発射管から空気圧で発射されると、エンジンまたは電動モーターを推進力として調定深度を高速で航走、目標艦に命中もしくは至近位置で爆発して致命的な損害を与える。対潜攻撃に使われる短魚雷と水上艦を攻撃する長魚雷とがあるが、現在多く生産されているのは短魚雷のほうである。1866年にイギリス人ホワイトヘッドRobert Whitehead(1823―1905)がオーストリア海軍のルピスGiovanni Luppis大佐と協力して完成した史上初の魚雷、ホワイトヘッド式魚形水雷は、自重136キログラム、直径35.5センチメートル、炸薬(さくやく)量8キログラム、圧搾空気を動力に速力6ノットで約600メートル走った。その後推進機関の改良によって日露戦争のころには速力30ノット、射程4000メートル、炸薬量数十キログラム。第一次世界大戦時には速力35ノット、射程6000メートル、炸薬量150キログラムに能力を向上させた。
魚雷が開発されたことにより、砲戦主体の海戦に大きな異変を生じ、魚雷を装備した小艦艇で戦艦艦隊に対抗しようとする試みがフランスやロシア海軍を中心に芽生えた。こうして出現したのが水雷艇とよばれる新艦種だが、一方水雷艇の襲撃から主力艦を守るために(水雷艇)駆逐艦が生まれ、ここに近代海戦と艦隊の型が確立された。第二次世界大戦で魚雷は著しく発達し、とくに日本海軍が使った九三式魚雷(水上艦用)、九五式魚雷(潜水艦用)はそれぞれ速力49ノット・射程2万2000メートル、速力36ノット・射程4万メートルの自走能力を有し、各国の魚雷を性能的に圧倒した。
戦後、対潜戦闘が海軍の主任務となったのに伴って、魚雷も潜水艦攻撃に使う型が主流を占めるようになり、馳走能力より潜水深度が問題とされることになった。最新の魚雷は水面下数百メートルの潜水艦を攻撃可能といわれる。アメリカ海軍が1976年に開発したMK48魚雷は、目標までの大部分の距離を発射潜水艦からワイヤーを通じて送られる方位信号により誘導され、途中で攻撃目標や捜索方法を変更しながら接近していくホーミング方式で、以後のモデルになった。誘導方法は、ワイヤーから情報を受ける有線指令方式のほか、音波・超音波誘導による自動追尾型があり、近年これが主流になっている。爆発信管には着発式と感応式とがあり、前者は命中衝撃により信管が作動して爆発、後者は近接目標艦の磁気に感応して爆発する。海上自衛隊の魚雷は1960年代までアメリカ海軍制式の供与が主流を占めていたが、やがて国産魚雷が登場するようになり、1980年代以降は89式長魚雷、97式短魚雷が開発された。また魚雷とロケットを組み合わせたアスロックAnti Submarine ROCketやイージス艦の垂直発射機(VLS)から高速ホーミング魚雷をうち出すタイプなどが就役している。
[前田哲男]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう。シラクサの僭主ディオニュシオス1世の廷臣ダモクレスが王者の幸福をたたえたので,王がある宴席でダモクレスを王座につかせ,その頭上に毛髪1本で抜き身の剣をつるし,王...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新