[生]1917.8.6. コネティカット,ブリッジポート [没]1997.7.1. カリフォルニア,サンタバーバラ アメリカ合衆国の映画俳優。フルネーム Robert Charles Duran Mitchum。スクリーンだけでなく,私生活でみせる超然とした態度によりタフガイのイメージが定着した。ニューヨーク市内の高校を放校になり,大不況時代初期には放浪生活を送っていた。1936年姉のジュリーに誘われてカリフォルニア州の地方劇団に加入。1943年には映画俳優としてのキャリアを開始した。戦争映画『G・I・ジョウ』The Story of G.I. Joe(1945)でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。しかしタフガイのイメージは,のちに「フィルム・ノアール」と呼ばれる低予算の犯罪映画に出演を重ねたことにより形成されていく。1948年マリファナ所持容疑で逮捕。約 2週間の収監後,2年間の執行猶予付き処分となったが,のちに無罪判決がくだり,履歴から抹消された。このスキャンダルは,むしろ反逆者やアウトサイダーのイメージを増強することにつながった。『狩人の夜』The Night of the Hunter(1955)や『恐怖の岬』Cape Fear(1962)では恐ろしい悪役を演じ,高い評価を受けた。影のあるスターとして成功したことにより,1950~60年代の映画で活躍するアンチヒーローたちに道を開いたと評される。