ムズターグ・アタ(読み)むずたーぐあた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムズターグ・アタ」の意味・わかりやすい解説

ムズターグ・アタ
むずたーぐあた / 慕士塔格山

中国、新疆(しんきょう)ウイグル自治区南西部、崑崙(こんろん)山脈西部の高峰。キズルス・キルギス自治州の南、タジキスタン共和国との国境をなすパミール高原にあり、標高7546メートル。ウイグルなどの住民には「氷山の父」とよばれる。山頂は比較的平らなため氷帽型の氷河が発達、谷氷河の最末端は約3100メートルになる。雪線は高く5500メートル。融水は東流してタリム盆地に向かい、ヤルカンド川などの水源となる。同峰の北方にはパミール高原の最高峰、コングル九別峰(7595メートル)とコングル山(7719メートル)が東西に並ぶ。西風のもたらす水分はこれらの高峰が障壁となり、吸収作用を果たし、東麓(とうろく)部のカルギリクやヤルカンドなどの地域はとくに乾燥する。1956年中国・ソ連合同隊(隊長ベレツキー)が初登頂に成功。

[駒井正一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android