メガソーラー(読み)めがそーらー

日本大百科全書(ニッポニカ)「メガソーラー」の解説

メガソーラー
めがそーらー

1メガワット(1000キロワット)を超える大規模な太陽光発電施設のこと。日本では、2009年(平成21)までに263万キロワットの太陽光発電設備が導入されたが、住宅向け設備が上記容量の約8割を占め、個々の平均的な発電容量は3~4キロワット程度であった。こうした家庭等での自家消費を主目的とする分散型設備に対し、近年になり導入が進められてきた大規模な商業用太陽光発電施設がメガソーラーとよばれている。

 日本におけるメガソーラーは、再生可能エネルギーの普及推進を図るために2012年に導入された固定価格買取制度(FIT制度)のもとで、一気に拡大が加速した。買取価格が高かった2012年度(出力10キロワット以上の場合、1キロワット時当り40円)、2013年度(同36円)、2014年度(同32円)の3年間の導入がとくに大きい。経済産業省によれば、FIT認定容量(経済産業省から許可された電気事業者向け売電の発電設備総容量)ベースでのメガソーラーの導入は2012年が980万キロワット、2013年度が1436万キロワット、2014年度が537万キロワットに達している。2020年度までの累計でFIT認定の太陽光発電設備容量は6705万キロワットであるが、そのうちメガソーラーが3460万キロワットで全体の52%を占めている。FIT制度の政策支援で投資リスクが小さくなり、事業面での魅力が増したことから一気にメガソーラーの拡大が進んだ。

 海外でも、気候変動対策強化の流れのなかで再生可能エネルギー推進の機運が高まり、とくに発電コストの大幅削減に成功したメガソーラーは急速に拡大した。条件のよいプロジェクトでは、化石燃料発電などの他の発電手段より発電コスト面できわめて優れた競争力をもつ電源となっている。

 太陽光発電は、発電コストは低下してきたものの、発電量が天候に左右され安定的な供給がむずかしいというデメリットがあり、系統安定化のための統合コストも勘案するとコストが大きく上昇する、という課題もある。また、とくにメガソーラーは、設置に大きな土地面積が必要となることから、設置に伴う景観の悪化や不適切な設置による土砂災害発生の懸念などの問題も指摘されるようになっている。

[伊藤葉子・小山 堅 2022年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵「メガソーラー」の解説

メガソーラー

出力1メガワット(1000キロワット)以上の大規模な太陽光発電。発電所建設には広大な用地を必要とするが、再生可能エネルギーの基幹電源として期待されている。経済産業省の資料(2012年3月)によると、計画・建設中を含み全国に約80カ所存在。09年11月、太陽光発電の余剰電力買取制度が始まり、一般住宅で太陽光発電の導入が進んだ。更に、11年3月の福島第一原発事故によって、安全な代替電源へのシフトが加速し、12年7月から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT:feed-in tariff)が始まった。これによって、「再生可能エネルギー」(太陽光、風力、中小水力地熱バイオマス)によって発電された電力を、電力会社に一定の金額で買い取ることが義務付けられた。なかでも、太陽光発電の買い取り金額は1キロワット当たり42円と高めに設定され(風力は約20円、地熱は約26円)、買い取り期間も20年間と長期に保証されている。これによって、最大の障壁だった採算面の不安がなくなり、電力会社だけでなく、IT企業、電機メーカー、ガス会社、商社など、異業種の本格参入が加速している。また、自治体が民間企業と提携し、遊休地を利用してメガソーラー事業を展開するという動きも見られる。ただし、買い取りにかかる費用(賦課金)は、消費者負担。ひと月の電気代は、標準家庭(約7000円)で平均87円値上がりする。10年度の再生可能エネルギー(水力を除く)の発電量は、総発電量の約1.2%に過ぎない。経済産業省は12年度を「再生可能エネルギー元年」と位置付け、同年度内の新たな導入発電量を、大型原発2基分に相当する約250万キロワット(太陽光は約200万キロワット)と見込んでいる。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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