太陽の光をエネルギー源に発電するシステム。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出が抑えられる一方、地域住民の反対運動も起きている。法改正により、今年4月からは再生可能エネルギー発電事業者への規制が強化され、地域住民への事前説明が義務化される。法令に違反すると、国の固定価格買い取り制度(FIT)などに基づく収入が一時停止される。
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太陽光が当たると電気を発生する太陽電池を利用して、太陽の光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電方式。シリコン半導体を用いる太陽電池は1954年に発明されたが、その基本的原理はp形半導体(ホウ素を添加してつくる)とn形半導体(リンを添加してつくる)の接合部に光が当たると電位差が生ずる性質を利用したものである。
太陽エネルギーは、無尽蔵、クリーンかつ「ただ」であり、石油のような地域的偏在もないというメリットがあり、さらに国産エネルギーであることから、エネルギー自給率の向上への貢献や分散型エネルギーシステムとして防災対応やレジリエンス強化にも資すること、また、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため気候変動防止に貢献すること、などのメリットがある。しかし一方では、太陽光のエネルギー密度が小さく、天候条件に左右される点や、必要設備のコストが高いこと、太陽電池の発電効率が低い、発電が自然条件に大きく左右される太陽光発電や風力発電が大量導入された場合の電力安定供給体制への影響など、さまざまな課題もある。
しかし、気候変動対策が世界的に重視されるなか、発電コストの急速な低下や各国政府による強力な支援策の影響もあって、太陽光発電の普及に拍車がかかっている。国際石油メジャーであるイギリスBP社の統計によれば、世界の太陽光発電量は2010年の337億キロワット時から2020年には8557億キロワット時へと25倍以上に増加した。2020年時点での太陽光発電の世界の発電全体に占めるシェアは3%にとどまっているが、今後の普及拡大でシェア増大が予想されている。
日本でも再生可能エネルギー普及推進のための政策が強力に推進され、固定価格買取制度(FIT制度)が導入された2012年(平成24)以降、太陽光発電はとくに急速に拡大した。2020年(令和2)6月末時点でのFIT設備認定容量は全体で9310万キロワット、うち太陽光発電設備容量が7430万キロワットとなっている。かりにFIT設備9310万キロワットがすべて運転開始すると、FIT制度による賦課金(消費者負担額)は累積で60兆円に達し、1キロワット時当り電力コストを平均3.4円上昇させるとの試算もある。そのため、日本ではいかに経済合理的に太陽光発電などの再生可能エネルギーを推進するかが、重要な課題となっている。第6次エネルギー基本計画では、2030年の温室効果ガス排出を2013年比46%削減するため、2030年の電源構成(エネルギーミックス)で再生可能エネルギーが36~38%のシェアとなるまで拡大する目標がたてられ、その中心が太陽光発電の増加になるものと位置づけられている。
[小山 堅 2022年1月21日]
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