モノカルチュア(読み)ものかるちゅあ(その他表記)monoculture

翻訳|monoculture

デジタル大辞泉 「モノカルチュア」の意味・読み・例文・類語

モノカルチュア(monoculture)

モノカルチャー

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精選版 日本国語大辞典 「モノカルチュア」の意味・読み・例文・類語

モノカルチュア

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] monoculture )[ 異表記 ] モノカルチャー
  2. 一種類の作物だけを栽培すること。単一栽培。単作
  3. 開発途上国などで、植民地時代からの名残や比較生産費の結果で、特定一次産品に大きく経済が依存すること。また、その経済構造。転じて、単一的な文化にもいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モノカルチュア」の意味・わかりやすい解説

モノカルチュア
ものかるちゅあ
monoculture

もともとは農業生産における単作(単一栽培)を意味するが、それから転じて、一種あるいは数種の原料農産物輸出に依存している開発途上国の経済構造をさす。モノカルチュア経済構造は、かつて開発途上国が先進国列強の植民地・従属国として支配されていたとき、支配本国に必要とされる原料や食糧を供給するよう位置づけられ、一種あるいは数種の鉱物資源や農産物の生産に特化させられ、本国経済の付属物に転化させられたことが原因となっている。第二次世界大戦後、独立を達成した開発途上国の多くは、このモノカルチュア経済構造から抜け出すことができず、経済開発のネックとなっている。つまり、輸出総額においてこれら一次産品が大きな割合を占めているが、その輸出所得は需要国の景気動向に左右され、またそれら産品の価格変動も激しいため、安定した輸出所得を得ることができない(一次産品問題)。確実な経済開発に取り組むためには、一次産品の価格変動を緩和し、輸出所得を確保すると同時に、多角的な産業・経済構造を形成することが求められる。

[秋山憲治]

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