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モロ族 モロぞくMoro

翻訳|Moro

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

モロ族
モロぞく
Moro

フィリピンに居住するイスラム教徒の総称。モロの名称は,北アフリカのムーア人 (→ベルベル人 ) などと同様にスペイン人から与えられたもので,言語的にも異なる多くの民族集団を含み,スル島のタオスグ族,サマール族ミンダナオ島のマラナオ族,マギンダナオ族の4集団がその代表的な存在。形質的にはマレー系で,人口はフィリピンの総人口のおよそ5%を占める。イスラム教のスンニー派に属し,巡礼の伝統により他地区のイスラム教徒と結ばれているが,伝統宗教が混合し,他のフィリピン人とは宗教的理由で断絶しているため,習俗はインドネシア,マレーなどと似ている。スルタンを中心に3階級に分れ,現在はスルタンの政治的権力は消滅したが,慣習的な影響力は強い。タオスグ族は貿易,船乗り,サマール族は漁業,マラナオ族とマギンダナオ族は農耕を生業とし,前者の青銅工芸は特に有名である。

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世界大百科事典 第2版の解説

モロぞく【モロ族 Moro】

フィリピンのイスラム教徒を総称する名称。16世紀後半にフィリピンを占領したスペイン人植民者によって命名された。スペイン人は8世紀にアフリカ北西部(ローマ時代のマウレタニア,現在のモロッコ,モーリタニア地方)からイベリア半島へ進出してきたアラブやベルベル人をモロ(ムーア人)と呼んだ。マウレタニアの住民を指すラテン語マウルスmaurusがその語源である。スペインではやがて〈モロ〉は〈イスラム教徒〉の同意語となった。

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世界大百科事典内のモロ族の言及

【フィリピン】より


【住民】
 フィリピンの住民構成はきわめて複雑にみえるが,人種的には南方モンゴロイドといわれる新マレー系人種を中心に,少数民族としてコーカソイドとモンゴロイド両方の形質をもつ旧マレー系人種,ネグリト,それに中国人,ヨーロッパ人が混じっているにすぎない。分離独立を叫んで今日激しく中央政府と対立しているフィリピン人イスラム教徒のモロ族にしても,人種的にはタガログ,セブアーノと同じ新マレー系である。民族構成を複雑にしているのは,人種ではなく宗教であり言語である。…

※「モロ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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