フィリピン南部、ミンダナオ島のサンボアンガ半島南西端に隣接する島。地形的にはスル諸島に属し、付近の約50の小島とバシラン群島(人口32万6000、2000)を構成する。面積1373平方キロメートル。新期火山岩からなり、山がちで最高点は1013メートル。全島が森林に覆われ、装飾用硬材を産する。20世紀に入り、アメリカ資本による木材会社やゴム園が開かれた。住民はサマ人が多数を占め、おもに漁業を営んでいる。イスラム教徒が多く、モロ民族解放戦線の拠点でもある。バシラン海峡を隔ててミンダナオ島のサンボアンガと対する北端のバシランは木材、農産物の集散地となっている。
[別技篤彦]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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