モンス(英語表記)Mons

デジタル大辞泉 「モンス」の意味・読み・例文・類語

モンス(Mons)

ベルギー南西部、エノー州都市。同州の州都。もとエノー伯領の旧都で、聖ウォードリュ教会や市庁舎などの歴史的建造物が数多く残る。高さ87メートルのバロック様式鐘楼は、1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一つとして世界遺産文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンス」の意味・わかりやすい解説

モンス
Mons

オランダ語ではベルヘン Bergen。ベルギー南西部,エノー州の州都。ブリュッセルの南西約 50km,コンデ=モンス運河サントル運河との接点に位置する。7世紀,修道院とエノー伯の城を中心に発達。 804年頃にエノー伯領の首都となった。 14~16世紀に毛織物業が発達して繁栄。ブルゴーニュ公国に吸収されてからは重要な要塞地となり,16~18世紀には領有をめぐってオランダ,スペイン,フランス,イギリス各国間で多くの攻防戦が繰返された。第1次世界大戦中イギリス遠征軍が最初に戦闘を行なった地で,多くの記念碑や墓地がある。市の経済と深く結合していた南西方のボリナージュ炭田炭鉱は 1950~60年に閉鎖されたが,繊維,レース,セメント陶磁器,皮革製品の製造が行われる。 15世紀の市庁舎や聖ウォードリュ聖堂,鐘楼などの歴史的建造物のほか博物館もいくつかあり,付近にもリーニュ公の城,古戦場跡などみるべきところが多い。大学,美術アカデミー,王立音楽院などがある文化都市。人口9万 2158 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンス」の意味・わかりやすい解説

モンス
もんす
Mons

ベルギー西部、エノー州の州都。オランダ語名ベルヘンBergen。人口9万0955(2002)。7世紀よりエノー伯の娘により創建された丘上の僧院と城を中心に発達し、中世には毛織物工業で繁栄した。また重要な要塞(ようさい)として幾度も攻防の地となった。中央炭田の開発とともに鉱工業都市として成長し、金属、電気、ガラス、セメント、ビール工業などが発達した。1960年代からの炭田の閉山で全般的不況に陥り、産業の再編成を迫られた。1971年に設置された国立大学がある。

[川上多美子]

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世界大百科事典 第2版 「モンス」の意味・わかりやすい解説

モンス【Mons】

ベルギー南部,エノー州の州都。フラマン語名はベルヘンBergen。人口9万(1988)。ブリュッセル南西方約60kmに位置。二つの運河の合流点にあたり,ブリュッセル・パリ間の自動車道路に沿う。19世紀以来都市化の進んだ石炭鉱業地帯の行政の中心地で,食品工業なども盛ん。平野に突き出た小山にあり,モンスもベルヘンも〈山〉を意味する。古代ローマ期に城砦が置かれて以来,周辺地域の中心地となる。中世にはエノー伯領の首都として,城砦と伯に保護されたサント・ウォードリュ修道院(ともに7世紀)を核に都市が形成され,毛織物業も発達し,市民の自由と自治も拡充された。

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百科事典マイペディア 「モンス」の意味・わかりやすい解説

モンス

ベルギー南部のエノー州の州都。オランダ語ではベルヘンBergen。運河・鉄道の要地で石炭鉱業の中心地。皮革,製糖などの工業も行われる。7世紀から知られ,9世紀にはエノー侯領の主都であった。17世紀数度にわたりフランスの支配を受けた。9万3072人(2012)。

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