ヤマフジ(読み)やまふじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマフジ」の意味・わかりやすい解説

ヤマフジ
やまふじ / 山藤
[学] Wisteria brachybotrys Sieb. et Zucc.

マメ科(APG分類:マメ科)の落葉藤本(とうほん)(つる植物)。別名ノフジ。フジに似るが別種で、つるはフジ(ノダフジ)とは逆の右巻きで、支柱を右上りに巻いて伸びる。4~5月、フジよりも短い長さ10~20センチメートルの総状花序を下垂し、フジよりもやや大きい長さ2~3センチメートルの紫色蝶形花(ちょうけいか)を開く。庭木盆栽にする。園芸店ではカピタンとよばれる。

小林義雄 2019年11月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマフジ」の意味・わかりやすい解説

ヤマフジ(山藤)
ヤマフジ
Wisteria brachybotrys

マメ科のつる性の落葉低木。ノフジともいう。本州西部,南日本に分布する。山林中で他の木に巻きついて生える。ときには観賞用に植えられる。茎は左巻き,短毛があるがのちに落ちて灰白色となる。葉は互生し,奇数羽状複葉で小葉は長楕円形,両面に短褐色毛をつける。小葉の数は4~6対でフジよりも少い。線形托葉がある。5~7月に,その年の枝に長さ 10~20cmほどの総状花序をつける。萼は短い筒状,萼歯はふぞろいで短毛がある。蝶形花は紫色で同一花序の花はほとんど同時に開く。この点で,花序の基部の花から順次に開花していくフジとは異なる。莢は有柄,果皮は堅く表面に毛がある。フジに似ているが左巻きの茎,葉の下面に毛の多いこと,花期の早いことなどで区別できる。

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百科事典マイペディア 「ヤマフジ」の意味・わかりやすい解説

ヤマフジ

フジ

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世界大百科事典(旧版)内のヤマフジの言及

【フジ(藤)】より

…つるはひじょうにじょうぶなので,いすや籠などの家具として利用され,またかつては繊維をとり,織物にしたり,ロープのように利用された。 ヤマフジ(山藤)W.brachybotrys Sieb.et Zucc.はフジに似るが別種で,カピタンフジとも呼ばれる。本州西部,四国,九州の山地に野生する。…

※「ヤマフジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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