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ユーロ・ダラー euro-dollar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ユーロ・ダラー
euro-dollar

アメリカ以外にある銀行に預けられている米ドル資金の総称。ヨーロッパにおいて貸借されるドルというところからこの呼び名が生れた。イギリスやドイツ以外にあるポンド預金やマルク預金をユーロ・ポンド,ユーロ・マルクといい,これらを総称してユーロ・マネーまたはユーロ・カレンシーと呼ぶ。 1956年末東西冷戦の高まりのなか,アメリカによるドル資産の差押えや封鎖から逃れるために,ソ連や東欧の中央銀行や外国貿易銀行のもつドル建資産をアメリカからヨーロッパの商業銀行に預け替えたのがユーロ・ダラーの起源である。その後急速に発達したが,その背景としては,(1) アメリカの国際収支赤字が 1950年代は恒常的であり,ヨーロッパ諸国のドル保有が増大したこと,(2) ヨーロッパ経済の復興で国際的な資金需要が拡大したこと,(3) アメリカの預金金利規制やイギリスのポンド防衛のための信用規制を逃れて有利な運用先や調達先をユーロ市場に求めたこと,(4) 58年末のヨーロッパ諸国の通貨の交換性回復を契機とした為替管理の緩和,などがあげられる。ユーロ・ダラー取引の最終的な決済は,アメリカ国内の商業銀行内の口座間で行われることから,信用創造機能は基本的にない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ユーロ・ダラー
ゆーろだらー
Euro-dollar

アメリカ以外の国の銀行に預けられているドル預金のこと。アメリカ国内の本来のドル預金に対して、主としてヨーロッパ所在の銀行のドル預金であるところからユーロ・ダラーとよばれる。ドルと同様に、ポンド、スイス・フラン、円なども自国以外の銀行に外貨預金となっており、これらをユーロ・カレンシーと総称するが、ユーロ・ダラーはその中核となっている。[土屋六郎]
『ジェフリー・ベル著、井手正介・武田悠訳『ユーロダラーの将来――通貨危機と国際金融市場』(1974・日本経済新聞社) ▽榊原英資著『ユーロダラーと国際通貨改革』(1975・日本経済新聞社) ▽ジェーン・スネッドン・リトゥル著、竹内一郎訳『ユーロ・ダラーの功罪――その起源・現状・将来』(1978・東洋経済新報社) ▽吉岡正毅著『ユーロダラー――拡大するその市場』(1978・教育社) ▽P・F・シャンピヨン、J・トローマン著、日本経済新聞社訳『ユーロダラー入門』(1981・日本経済新聞社) ▽岩野茂道著『金・ドル・ユーロダラー――世界ドル本位制の構造』(1984・文真堂) ▽奥田宏司著『多国籍銀行とユーロ・カレンシー市場――ドル体制の形成と展開』(1988・同文舘出版) ▽リチャード・N・クーパー著、武藤恭彦著『国際金融システム――過去・現在・未来』(1988・HBJ出版局) ▽関岡正弘著『マネー文明の経済学――膨張するストックの時代』(1990・ダイヤモンド社)』

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