コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ライト・フライヤー Wright flyer of 1903

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ライト・フライヤー
Wright flyer of 1903

アメリカ合衆国のライト兄弟が人類史上初めて動力飛行に成功した飛行機。飛行は 1903年 12月 17日のことで,場所はノースカロライナ州キティホークに近いキルデビルヒルズと呼ばれる砂丘。1回目の飛行は弟のオービルが操縦して 12秒間に 36.6mを飛んだ。次いで兄のウィルバーが 53.3mを飛び,さらに交代してそれぞれ 61mと 260mを飛行した。それ以前にも地面を離れたと主張する飛行がなかったわけではないが,いずれもジャンプにすぎず,ライト兄弟のフライヤーのように操縦可能な定常飛行ではなかった。したがって,これが人類初の動力飛行とされる。フライヤーは頑丈かつ柔軟な構造をもち,大きな複葉の主翼と小さな複葉の前翼がついていた。後方には左右にプロペラがはり出し,尾部に左右2面の方向舵が垂直に取り付けてある。機体中央部のエンジンは兄弟みずから開発したもので,始動から数秒で約 12.5馬力を発揮した。その動力はチェーンによって左右反転するプロペラに伝わり,機体を推し進める。操縦者は下翼の上面に腹ばいになり,その腰を木枠に収め左右に動かして翼をねじる仕組みになっていた。これで横揺れの釣り合いを保ち,機体を傾けて旋回ができる。また操縦者の前方には小さな取っ手があり,前方の昇降舵を動かした。離陸は長さ 18mの1本のレールの上を,自転車の車輪に使うハブを改造した二つの車輪で走り下る仕掛けであった。ところが4回の飛行を終わったフライヤーは,兄弟の休憩中に突風にあおられて大破した。2人はこれをデートンに持ち帰って復元し,1928年から長期にわたってロンドンの科学博物館に展示した。しかし 1942年,人類の初飛行はサミュエル・ラングリーの方が先であったと主張してきたスミソニアン・インスティテューションが主張を取り下げて謝ったため,フライヤーは 1948年からスミソニアンのワシントン国立航空宇宙博物館の中央ホールに永久展示されることとなった。機体は翼幅 12.3m,全長 6.4m,自重 274kg。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

ライト・フライヤーの関連キーワードグライダー(航空機の一種)フライヤー号先尾翼機

今日のキーワード

存亡の機

引き続き存在するかここで滅びてしまうかという非常に重大な時。存亡の秋(とき)。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android