ライドシェア(読み)らいどしぇあ(英語表記)rideshare

デジタル大辞泉 「ライドシェア」の意味・読み・例文・類語

ライド‐シェア(ride share)

自動車の運転者とそれに相乗りする人、または相乗りする人同士を引き合わせるサービス。スマートホンアプリソーシャルサービスを通じて、目的地を同じくする運転者と相乗り希望者の間でやり取りがなされる。ライドシェアリング。ライドソーシング。→オンライン配車サービス
[補説]日本では、有償で人を輸送できるのは第二種運転免許を有する者のみと定められているため、運転者に報酬は支払われない。そのかわり、ガソリン代や高速道路の料金代を割り勘にするなどの形で、運転者の金銭負担を軽減する方法がとられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライドシェア」の意味・わかりやすい解説

ライドシェア
らいどしぇあ
rideshare

自動車や自転車の相乗りを意味することば。ライドシェアリングridesharingともよばれる。最近では、一般のドライバーが自家用車を使って利用客を運ぶ有料ビジネスをさす場合が多い。車のライドシェアビジネスは、利用希望者がスマートフォン(スマホ)などのアプリケーション(アプリ)を通じて配車を依頼すると、スマホ端末のGPS機能を通じて現在位置が発信され、地図上の近くを走っているライドシェア提供ドライバーを呼び出し、有料で送迎してもらう仕組みである。利用希望者は迅速・手軽に自動車を利用でき、一般ドライバーにとってもあいた時間などで金銭を稼ぐことができる。スマホアプリで行き先を指定でき、料金も登録したクレジットカードなどで決済できるため、ことばの通じない外国人でも利用しやすい。情報技術(IT)の普及で、自動車の所有者・運転者と、自動車に乗りたいユーザーを効率よく結び付けることが可能となって生まれたサービスである。使っていない車や家などの資産を、インターネットを介して必要な人に使ってもらうシェアリング・エコノミー(共有型経済)の一形態でもある。

 自動車のライドシェアは、2010年にアメリカのウーバー・テクノロジーズ社(Uber Advanced Technologies Group)がサービスを開始。タクシーより割安なため、世界的に普及し、ウーバー社は世界約80か国・地域でライドシェアを提供し、各国にライドシェアを提供する企業が生まれている。二酸化炭素削減や渋滞緩和につながることから、ライドシェアを推奨する国もある。イギリスの調査会社ジュニパーリサーチは世界のライドシェア市場が2020年に65億ドルに達すると試算している。日本では、一般ドライバーによるライドシェアは道路運送法で原則禁止されてきた。しかし公共交通機関の少ない過疎地では例外的に認められ、2018年(平成30)には国家戦略特区の兵庫県養父(やぶ)市で、公共バスと同じ道を走るライドシェアが始まる予定である。

[矢野 武 2018年4月18日]

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知恵蔵mini 「ライドシェア」の解説

ライドシェア

自動車を相乗りすること。ライドシェアリングとも呼ばれる。空いている座席を活用し、他者とガソリン代などを負担し合うことで交通費が節約できるため、欧米では安価な交通手段として広く浸透している。インターネットの発達に伴って事業化が進み、相乗り相手の仲介を行うサイトやスマートフォンアプリ、自家用車を利用した有料サービスなども普及している。CO2削減や交通環境改善の観点からも注目を集めており、行政でライドシェアを推奨している国もある。日本では2007年に初めてライドシェア仲介サイトが開設されて以降、類似のサービスが登場し、徐々に認知が進んでいる。しかし、日本の法律では自家用車が有料で客を乗せることは禁止されているため、同乗者が謝礼として燃料代や高速代相当の費用を支払う非営利のサービスに限られている。

(2015-3-16)

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