精選版 日本国語大辞典 「ライラック」の意味・読み・例文・類語
ライラック
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モクセイ科(APG分類:モクセイ科)の落葉低木または小高木。和名はムラサキハシドイ。ライラックは英名で、フランスではリラとよぶ。ヨーロッパ南東部原産で、ヨーロッパでは広く栽培される。日本へは明治中期に渡来した。高さ3~7メートル、根際(ねぎわ)からひこばえが出る。葉は対生し、広卵形または卵形、長さ5~10センチメートル、両面とも毛はなく、先は急にとがり、縁(へり)に鋸歯(きょし)はない。4~5月、枝先に狭い円錐(えんすい)花序をつけ、芳香のある多数の花を開く。花冠は上部が4裂して平開し、下部は長さ約1センチメートルの細長い筒になる。雄しべは2本で花糸は短く、雌しべは1本。花色は紫色が普通であるが、白、赤、赤紫、青色など多くの品種があり、八重咲きもある。果実は蒴果(さくか)で、長楕円(ちょうだえん)形、長さ約1.5センチメートル、10月に褐色に熟して2裂する。
陽樹または中庸樹。排水のよい適潤またはやや乾燥する冷涼な所でよく育つが、本州中部以西の暖地では生育があまりよくない。東北、北海道など寒地でよく栽培され、札幌では市の木に指定されている。繁殖はイボタまたはハシドイの実生(みしょう)苗を台木にして接木(つぎき)するか、取木、株分け、実生、挿木による。
[小林義雄 2021年7月16日]
ライラック属は中国に種類が多い。唐の姚(よう)氏の『西渓叢話(せいけいそうわ)』では、丁香(ちょうこう)の名で情客(じょうかく)に例えられている。宋(そう)の張翊(ちょうよく)は『花経(かけい)』で花に一品から10品まで等級をつけたが、丁香を三品の一つとしてあげた。ヨーロッパでは東部に野生種が分布するが、栽培は16世紀の中ごろ、ド・ブスベックOgier Ghiselin de Busbecq(1522―1592)がトルコより導入したのち、盛んになった。1613年に白花がみいだされ、18世紀後半からフランスで種間雑種がつくられ、改良が進んだ。さらに、20世紀の初頭アメリカ農務省のフランク・メイヤーFrank Nicholas Meyer(1875―1918)が中国に派遣され、野生種を導入し、遅咲きがつくりだされた。北海道には1890年(明治23)にアメリカ人のクララ・スミスSarah Clara Smith(1851―1947)が札幌にもたらして、広がった。
[湯浅浩史 2021年7月16日]
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