ランドルフ(読み)らんどるふ(英語表記)Asa Philip Randolph

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランドルフ」の意味・わかりやすい解説

ランドルフ
らんどるふ
Asa Philip Randolph
(1889―1979)

アメリカの黒人労働運動公民権運動指導者。フロリダ州牧師の子に生まれ、ニューヨーク市立大学で勉学。社会党に入党し、1917年戦闘的黒人運動誌『メッセンジャー』を創刊。黒人労働者の労働組合への組織化の必要を力説し、25年寝台車ポーター友愛会を設立して会長となる。黒人労働運動の中心的存在となり、労働運動内の人種差別撤廃に努力し、55年AFLとCIOの合同に際してその副会長の一人となった。差別に抗議して政府に圧力をかけることにより、41年には大統領F・ルーズベルトから軍需産業における差別撤廃と公正雇用慣行委員会の設立についての行政命令、48年にはトルーマン大統領から軍隊内における差別を禁止する行政命令を獲得するなど、黒人の権利擁護のための不屈の闘士として活動し、成果をあげた。63年には「自由と仕事のため」のワシントン大行進の主要組織者の一人となった。

[野村達朗]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランドルフ」の意味・わかりやすい解説

ランドルフ
Randolph, John

[生]1773.6.2. バージニアプリンスジョージ
[没]1833.5.24. フィラデルフィア
アメリカの政治家ロアノークに農園をもち,「ロアノークのランドルフ」として知られる。連邦下院議員 (1799~1813,15~17,19~25,27~29) ,連邦上院議員 (25~27) をつとめ,この間 1801年歳入委員会委員長,以後リパブリカンズ (共和派) の指導的存在となった。雄弁かつ毒舌家で,多くの敵をつくり,26年には H.クレーと決闘騒ぎまで起した。 30年ロシア駐在公使となったが病気のため帰国。生涯病気に苦しみ,後年には精神に異常をきたしたといわれる。

ランドルフ
Randolph, Peyton

[生]1721頃.バージニア,ウィリアムズバーグ
[没]1775.10.22. フィラデルフィア
アメリカ植民地時代末期の法律家,政治家。ロンドンで法律を学び,1748~75年バージニア植民地下院議員,66~75年その議長をつとめた。この間次第に独立派に同情的となった。 74年第1回大陸会議代表となり,同会議議長をつとめた。合衆国憲法制定会議バージニア案を出した E.ランドルフの叔父にあたる。

ランドルフ
Randolph, Asa Philip

[生]1889.4.15. アメリカ,フロリダクレセント
[没]1979.5.16. アメリカ,ニューヨーク
アメリカの黒人運動,労働運動の指導者。ニューヨーク市立大学を出て,ハーバード大学博士号を取得。 1925年寝台車ポーター組合の組織化に取組み,41年には黒人の公正雇用を要求するワシントン大行進を組織し成果を収めた。 63年にもアメリカ史上最大規模のワシントン大行進を指揮するなど,第2次世界大戦後の公民権運動でも重要な存在となった。 57年以降アメリカ労働総同盟産別会議の副会長をつとめた。

ランドルフ
Randolph, Edmund Jennings

[生]1753.8.10. ウィリアムズバーグ
[没]1813.9.12. クラーク
アメリカの法律家。バージニア案起草者。大陸会議 (1779~82) に参加。 1786~88年バージニア邦知事。連邦政府法務長官を 94年までつとめた。憲法制定において政府と個人の権利擁護を強く望んだ。当時イギリスとフランスは交戦中で,フランスとひそかに交友関係を結ぼうとしたが失敗。

ランドルフ
Randolph, Thomas

[生]1605.6.15. ノーサンプトンシャー,ダベントリー
[没]1635.3. ブラサーウィック
イギリスの詩人,劇作家。ケンブリッジ大学に学んだ。戯曲『アリスティパス-陽気な哲学者』 Aristippus,or The Joviall Philosopher (1630) ,『ミューズの手鏡』 Muses' Looking-Glass (30) などのほか,多くの詩がある。

ランドルフ
Randolph

アメリカ合衆国,マサチューセッツ州東部の都市。ボストンの大都市圏に含まれる。 1710年入植。初めインディアンのコチャト族にちなんで「コチャト」と呼ばれたが,のち大陸会議の初代議長 P.ランドルフの名が地名となった。住宅都市で,靴,事務用品などの軽工業が行われる。人口3万 93 (1990) 。

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デジタル大辞泉プラス 「ランドルフ」の解説

ランドルフ

《Randolph》アメリカ海軍の航空母艦。エセックス級航空母艦。1944年10月就役。第二次世界大戦末期の硫黄島上陸作戦の支援、日本の本州攻撃などに参加。1948年、予備役となる。その後再就役して、キューバ危機での作戦などに参加した。1969年退役。

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