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リコーバー Rickover, Hyman George

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リコーバー
Rickover, Hyman George

[生]1900.1.27. マコフ
[没]1986.7.8. バージニア,アーリントン
アメリカの海軍軍人。「原子力潜水艦の父」と呼ばれる。ユダヤ系ロシア人として帝政時代のロシアに生れ,アメリカへ移住。 1922年海軍兵学校卒業。艦隊勤務のあと,潜水艦学校を卒業して3年間潜水艦に乗込んだ。コロンビア大学で電気工学を学び,第2次世界大戦中は海軍の電気部門を担当。 46年国立原子力研究所に派遣され,原子動力の研究開発に従事。原子力が潜水艦の推進動力として最適のものであることを確信し,当時の海軍作戦部長 C.ニミッツ元帥の支持を得て,海軍省艦船局の原子力機関課長と原子力委員会の海軍用原子炉課長を兼務。 55年には原子力潜水艦の実用化の見通しをつけた。多くの困難を克服して,予定どおり,55年1月,世界最初の原子力潜水艦『ノーチラス』の航行に成功した。実用動力炉としても世界最初のものであり,このように短期間に画期的な技術的成功を収めることができたのは,彼の技術的才能と卓越したマネージメント能力に負うところが大きい。アメリカ議会の信任が厚く,銀メダルを贈られ,高齢にもかかわらず特に中将として現役にとどまっていたが,81年 12月に退役。第 39代大統領 J.カーターの海軍時代の恩師としても知られている。

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世界大百科事典 第2版の解説

リコーバー【Hyman George Rickover】

1900‐86
アメリカ海軍原子力潜水艦の開発者。ロシアのマコフ(現,ポーランドのマクフ・マゾビエツキ)に生まれた。子どものころシカゴに移住,1922年海軍兵学校卒業,29年海軍大学院課程修了後潜水艦乗組員となる。第2次大戦中は海軍省艦船局の電気部門の長を務め,戦後オーク・リッジ試験所で原子工学を修めたのち海軍省に復帰,原子力潜水艦の開発に精力的に従事し,54年1月その1号艦〈ノーチラス号〉を進水させた。58年海軍中将に昇進し,64年退役。

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世界大百科事典内のリコーバーの言及

【原子力船】より

…対策としてスノーケル装置(潜航中に水上に管を出して空気を取り入れる装置)等が装備されたが,しょせん全没可能な真の潜水艦ではなかった。1946年原子力船の父といわれるアメリカのH.G.リコーバー海軍大佐(当時)は,真の潜水艦は,(1)燃料燃焼に空気が不要,(2)1回の燃料充塡により何年間も高速航行が可能,(3)石炭・石油のように大量の燃料庫が不要な原子力潜水艦以外にないことを建言,50年トルーマン大統領の承認を得た。かくして53年世界初の加圧水型軽水炉を臨界に達せしめ,54年9月世界で初めての原子力船ノーチラス号を完成させた。…

※「リコーバー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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