リネン(読み)りねん(英語表記)linen

翻訳|linen

デジタル大辞泉 「リネン」の意味・読み・例文・類語

リネン(linen)

リンネル」に同じ。
病院・ホテルなどで、日常使うシーツ枕カバー・タオル類など、リンネル製品の総称。「リネン室」

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精選版 日本国語大辞典 「リネン」の意味・読み・例文・類語

リネン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] linen )
  2. リンネル
    1. [初出の実例]「白リネンの胴衣に黄金鎖を山形に懸け」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上)
  3. テーブルクロス、シーツ、枕カバー、タオル類など、布製品の総称。

リネン

  1. ( Feodor Lynen フェオドール━ ) ドイツの生化学者。コレステロール脂肪酸生合成を研究、動脈硬化症の治療法を発見した。一九六四年ノーベル生理学・医学賞受賞。(一九一一‐七九

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リネン」の意味・わかりやすい解説

リネン(Feodor Lynen)
りねん
Feodor Lynen
(1911―1979)

ドイツの生化学者。ミュンヘン大学でH・ウィーラントに師事、1953年同大学教授。1954年からマックス・プランク細胞化学研究所所長。活性酢酸が酢酸と補酵素A(coenzyme A)とのチオエステルCH3-COSCoAであることを発見し、アセチル補酵素Aが関与する多くの代謝経路と酵素を明らかにした。すなわち、リネンのサイクルとよばれる脂肪酸のβ(ベータ)酸化の機構を解明し、脂肪酸の長い鎖の合成を触媒する多酵素複合体を酵母より分離した。また脂質の代謝にビオチンが果たす役割を明らかにし、コレステロールや脂質の生合成研究も行った。K・ブロッホとは独立に研究したが、彼らの仕事は互いに補い合いコレステロールと脂肪酸研究に貢献した。1964年、ブロッホとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。

[石館三枝子]


リネン(亜麻)
りねん
linen

アマ(亜麻)繊維を原料とする製品の総称。シャツ地、ハンカチーフ、テーブルクロスなど。アマ織物は人類史上もっとも古く、古代エジプトではミイラを巻いた布であり、聖書のなかにも記されている繊維であって、18世紀ころには、全繊維のうちで世界第1位の生産高を示していた。原産地は中近東と考えられているが、現在は旧ソ連地域、ポーランド、ベルギーが主産地である。繊維の強さが大きいこと、水分の吸収発散が早いこと、熱伝導度が高いことなどから、涼感があり、夏用服地に使われる。日本では明治以後、北海道でアマの栽培が始められ、1887年(明治20)札幌に北海道製麻株式会社を設立されて以来普及をみた。リネンは敷布、画布、服地、芯地(しんじ)などに用いられる。

並木 覚]

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百科事典マイペディア 「リネン」の意味・わかりやすい解説

リネン

リンネルとも。アマ(亜麻)織物の総称。帆布,カンバスなどにする厚地のものもあるが,一般には比較的細いアマ糸による薄地の織物をいう。組織は平織,綾織,繻子(しゅす)織があり,漂白により半晒(はんざらし)品と本晒品がある。平滑で光沢に富み堅牢(けんろう)で涼感があるので,夏の洋服地,テーブル掛け,ナプキンなどとし,ごく薄地のものはハンカチーフ,シャツ,レース地などとする。
→関連項目麻糸紡績麻織物

リネン

西ドイツの生化学者。ミュンヘン大学でウィーラントに師事し,マックス・プランク細胞化学研究所長兼ミュンヘン大学教授。脂肪酸のβ酸化やクエン酸回路に重要なアセチルCoAの構造を解明した。1964年ノーベル生理医学賞。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リネン」の意味・わかりやすい解説

リネン
Lynen, Feodor(Felix Konrad)

[生]1911.4.6. ミュンヘン
[没]1979.8.8. ミュンヘン
ドイツの生化学者。 1937年ミュンヘン大学卒業。 41年同大学講師,53年生化学教授,54年からミュンヘンのマックス・プランク細胞化学研究所所長,72年からマックス・プランク生化学研究所所長を兼ねる。コレステロールと脂肪酸がそれから形成される活性化アセタートを初めて分離し,いわゆる脂肪酸サイクルのなかで脂肪酸分解の機構を解明,またコレステロール,スクアレン,テルペンおよび天然ゴムなどを含むポリイソプレン化合物の生合成の過程を明らかにした。 K.ブロッホとともに 64年ノーベル生理学・医学賞受賞。

リネン
linen

亜麻繊維を原料とした製品の総称。亜麻糸亜麻織物など。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「リネン」の解説

リネン【linen】

➀亜麻(あま)で作られた生地および製品。強くて光沢があり、使って洗濯するほどにやわらかさを増す。夏の衣料やハンカチーフなどに用いる。◇「リンネル」ともいう。
➁シーツ・テーブルクロス・タオル類などの布製品の総称。

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世界大百科事典(旧版)内のリネンの言及

【アサ(麻)】より

…ワタに比べて不純物が多く,ペクチン,ヘミセルロース,蠟質,色素などを多量に含有しているので,原料採取後,紡績工程に入るまでに前処理が必要である。(1)リネン アマ繊維(フラックス)で作った糸,またこの糸で織った織物。リンネルとも呼ばれる。…

【麻織物】より

…おもなものに亜麻(フラックス。織ったものをリネンと呼ぶ),苧麻(ちよま)(ラミー,カラムシともいう),大麻(ヘンプ),黄麻(ジュート,つなそともいう),マニラ麻,サイザル麻などがある。麻類はそれぞれ相違はあるが,多くは繊維細胞が集まって繊維束を形づくっており,繊維束の繊維素以外に表皮や,木質部,ゴム質,ペクチン質などを含有しているので,より細かく分繊して糸にし織物にするのが良く,ロープ,紐類などは繊維束をそのまま撚り合わせて使用する。…

【アマ(亜麻)】より

…茎からは繊維を,種子からは油を採る作物(イラスト)。その繊維で肌ざわりがよく薄手の織物リネンを織る。 アマ科の一年草で,カフカス地方から中東にかけての一帯が原産地とされる。…

※「リネン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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