リボザイム

百科事典マイペディア 「リボザイム」の意味・わかりやすい解説

リボザイム

触媒活性をもつRNA従来,生体内で触媒として働くのは,タンパク質酵素だけだと考えられてきたが,一部のRNAもそうした機能をもつことがわかり,リボ核酸の酵素という意味でこう呼ばれる。T.R.チェック〔1947-〕が,原生動物テトラヒメナのRNAが自己スプライシング(転写されたRNAのイントロンを除去して,エクソン部分をつなぎあわせる一連反応)を起こすことから発見(1981年)。それ以外の反応を触媒するリボザイムもいくつか見つかっており,RNAからなる初期生命の時代があったとする考え方(RNAワールド説)の傍証とみなされている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リボザイム」の意味・わかりやすい解説

リボザイム
ribozyme

原生動物の一種であるテトラヒメナのリボソーム RNA前駆体中のイントロンは,他の蛋白質などの助けを借りず,自らの触媒活性により切断-再結合の反応を行なう。コロラド大学の T.チェックはこのイントロンをリボザイムと名付け,また,この発見により,1989年度のノーベル化学賞を受賞した。これまで生体内で触媒活性を持つ分子,酵素は蛋白質だけと思われていたが,ある種の RNAにも生体反応を担う能力があることを彼は見いだした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

化学辞典 第2版 「リボザイム」の解説

リボザイム
リボザイム
ribozyme

RNAを構成成分とする触媒の総称.自己スプライシング能をもつRNAが見つかり,酵素の助けなしにRNAが自分自身を切断することから命名された.語源はribo(RNA) + zyme(enzyme).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「リボザイム」の解説

リボザイム

 RNA酵素ともいい,RNAを構成成分とする触媒の総称.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android