翻訳|rinse
洗髪の際に用いる化粧品。rinseは本来,ゆすぐ,すすぐ,洗い落とすの意味。セッケンやセッケン末に炭酸ナトリウム,デンプン,ベントナイトなどを加えたシャンプー剤を用いていたときは,セッケンの加水分解により洗ったあとの髪がアルカリ性になるので,クエン酸,酒石酸を主成分とした酸性リンスが必要であった。しかし1950年ごろからシャンプー基材に中性洗剤が使われるようになり,酸性リンスの必要がなくなったことと,中性(合成)洗剤は脱脂力が強いので,洗髪後に油分を補う必要が生じた。さらにヘアスタイルが変化し,自然の風合いのよさを要求するようになった。そのためリンスも,油脂分を補い,毛髪に柔軟性と自然の光沢を与えるだけでなく,静電気の発生をおさえ,ブラシや櫛(くし)のとおりをよくすることを目的とするように変化した。内容成分の面からは,シャンプー剤が陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤を主剤とするのに対し,リンスは陽イオン界面活性剤と油脂の成分である高級アルコール,タンパク質,植物エキスなどを配合したものに変化した。さらに近年はドライヤーなどによる損傷毛の増加にともなって,リンス剤よりもさらに油脂分やろう分,アミノ酸などの多いヘアトリートメント剤が使われる。
執筆者:高橋 雅夫
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