出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…宮廷では,ゆったりとした音楽による,踊りの規則のやかましいものへと変化して,優雅なメヌエット,ガボット,カドリーユなどが生まれた。フランス革命後,宮廷での儀式的なものより庶民的な踊りが好まれるようになり,古くからオーストリアの山岳地方で行われていた舞踊レントラーLändlerがしだいにワルツに発展,ウィーンを中心にヨーロッパ全域へと爆発的な流行をもたらした。ワルツ王J.シュトラウスは,〈ウィンナ・ワルツ〉の名曲を数多く作ったが,男女が一対に組んで旋回をともないながら滑るように踊るワルツのステップに,今日の社交ダンスの起源をみることができる。…
…古典派の時代に入ると,メヌエットは実際に踊られるだけではなく,純器楽曲として交響曲や弦楽四重奏曲やソナタの中に挿入され,重視されるようになったが,他の宮廷舞曲は急速に衰微していった。18世紀末,ウィーンを中心にワルツ,ワルツより遅いレントラーや2拍子系で比較的速いエコセーズが流行する。なかでもワルツが一世を風靡し,以来J.シュトラウス父子の時代まで全盛を誇るが,ワルツは庶民の間まで深く浸透していた。…
…ドイツ語のwalzen(旋回する)が語源とされ,抱き合った男女の1対が足を滑らせるようなステップで旋回し,同時にフロアを円形に回るのが特徴である。類似した舞曲は古くから認められるが,直接の前身はオーストリアの農民舞曲レントラーLändlerと考えられる。 ウィーンで18世紀末にワルツが宮廷舞踊にとってかわった事実は,パートナーが直接抱き合うという民衆性とともに,舞踊史上象徴的な意味をもつ。…
※「レントラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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