ワイス(読み)わいす(英語表記)Wyeth Corp.

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワイス(Wyeth Corp.)
わいす
Wyeth Corp.

アメリカの大手医薬品会社。旧社名はアメリカン・ホーム・プロダクツAmerican Home Products Corp.(略称AHP)。2002年現社名に改称した。
 アメリカン・ホーム・プロダクツは、1926年ワイス・ケミカルWyeth Chemical(1909年創立)とその子会社3社の持株会社として設立されたが、その起源は、1860年創業者ジョン・ワイスが兄弟のフランクとペンシルベニア州フィラデルフィアに開業した小さな薬局にさかのぼる。1931年AHPはジョン・ワイスの息子スチュアートがハーバード大学に遺贈した企業であるジョン・ワイス・アンド・ブラザー社John Wyeth & Brotherを買い取った。1943年にはホルモン剤(複合エストロゲン)や麻酔薬などを扱っていたカナダの企業を買収してエアスト・ラボラトリーズAyerst Laboratoriesとし、また医薬品企業を統合してワイス・ラボラトリーズ部門を形成した。さらに1944年、海外販売強化のためワイス・インターナショナルを設立した。
 1957年には大衆薬・トイレタリー製品、化粧品部門を設立。1960年代にかけて、多数の家庭用品メーカーや食品企業を買収、多角化を推進した。1982年シャーウッド・メディカルを買収して医療機器市場に参入。1987年ブリストル・マイヤーズ(現ブリストル・マイヤーズ・スクイッブBristol-Myers Squibb Co.)の動物薬部門、1988年パーク・デービスParke-Davisの動物薬部門を買収してAHP動物薬部門に統合、動物医薬品分野で全米3位に浮上した。1988年には、著名な大衆薬をもつ中堅医薬品企業A・H・ロビンズを買収ののち、1994年11月有力な医薬・農薬企業であるアメリカン・サイアナミッドを買収、世界最大手の医薬品企業の一つになった。
 以後、1996年に食品事業を売却、1997年から1998年には医療機器や病院用品事業から撤退、2000年には農薬部門のサイアナミッドをBASFに売却するなど、多角化路線を修正した。他方、1996年の、バイオテクノロジー企業ジェネティックス・インスティテュートGenetics Instituteの完全取得、ベルギーの医薬品・化学会社ソルベイSolvay SAの動物薬部門買収、1998年の栄養補助薬品会社の取得などにより、医療用医薬品、バイオテクノロジー、大衆薬・栄養補助・ハーブ製品、動物薬の4分野で世界的展開を図っている。2001年の売上高は141億2850万ドル、うち医療用医薬品が81%を占める。[田口定雄]

その後の動き

2009年1月にアメリカの同業大手ファイザーにより、総額680億ドルで買収されることが発表され、同年10月に統合が完了した。2008年の売上高は228億3390万ドル、うち医療用医薬品が41%を占めた。[編集部]

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