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医薬品工業 いやくひんこうぎょうpharmaceutical (drug) industry

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

医薬品工業
いやくひんこうぎょう
pharmaceutical (drug) industry

医薬品を製造する産業。世界的にみると,アメリカドイツイギリスなどの欧米諸国では医薬分業体制が確立しているうえ,医薬品工業の歴史は古く,技術水準も高いほか,生産規模も大きい。日本も生産額ではアメリカに次いで世界の第2位を占めている。

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百科事典マイペディアの解説

医薬品工業【いやくひんこうぎょう】

近代医薬品工業は染料工業の連産部門としてドイツに興った。日本では明治年間に生産開始。第2次大戦後,特に1955年ごろから本格化,新薬開発の研究体制を各メーカーが整えた1970年代以降急成長し,米国に次ぎ世界2位を占める。
→関連項目三共[株]武田薬品工業[株]有機化学工業

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世界大百科事典 第2版の解説

いやくひんこうぎょう【医薬品工業】


[概観]
 日本の医薬品工業は第2次大戦後,急成長をとげてきた。1950年の生産額319億円が70年に1兆円を超え,81年には3兆6800億円,95年には6兆1680億円に達した。このような急成長の原因としては,所得の上昇や衛生意識の向上のほか,1961年から国民皆保険制度(国民皆年金・皆保険)が発足したことがあげられる。医薬品製造事業所は約2000社あるが,その大半は製剤,小分けを主にする零細企業である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

医薬品工業
いやくひんこうぎょう

医療に用いる各種の原薬、製剤などを生産する製造業の総称。広義には化学工業の一部門を形成する。その企業は製薬会社とよばれ、薬事法上医薬品製造業に分類され、医薬品の製造にあたっては医薬品製造業の許可、販売には医薬品製造販売業の許可が必要である。
 製造工程は、薬剤の成分となる原薬を生産する製薬工程と、その原薬を調製加工して錠剤、注射剤、軟膏(なんこう)剤などに製剤・包装する製剤工程に大別される。医薬品は種類も多岐にわたっているので、多種の薬剤を近代的な装置で生産する大手の製薬企業から特定の薬品のみを生産する単品製造企業、さらには原薬を仕入れて製剤・包装するだけの零細企業まで、多くの業務形態が存在する。
 安全性に問題がなければ医療用医薬品を一般用医薬品(OTC薬。over the counterの略)として販売することができる「スイッチOTC薬」の製造と販売が許可されるようになり、医療用医薬品メーカーでも自社製品として、または子会社や系列会社において一般用医薬品を製造販売する例が増加した。
 「ジェネリック医薬品」とは特許期間が終了した先発医薬品と同じ有効成分を使って製造・販売する医薬品で、研究開発費がかからないので低価で医薬品を販売することができる(ただし、医薬品添加物等また製造方法が異なる場合がある)。これらの医薬品を製造販売する会社は後発医薬品メーカーまたはジェネリックメーカーとよばれる。
 医薬品業界の特徴は、(1)同一成分でも内服剤(顆粒剤、錠剤など)、注射剤(静脈注射用、点滴用など)、外用剤(軟膏(なんこう)、貼付(ちょうふ)剤、坐剤(ざざい)など)の多品種少量生産を行っている、(2)開発、製造、販売が薬事法およびその他の法律で規制されている、(3)医療用医薬品は公定価(薬価)、(4)営業担当者がMR(Medical representative)資格をもつ、などである。
 製薬が商業としては発展したのは江戸時代からであり、独自に薬をつくっていた薬種商が大阪の道修町(どしょうまち)に集まり、薬種仲買仲間として組織され、輸入漢方薬を中心として栄えた。富山の配置薬販売業もこの時期に発達したといわれている。明治維新後は日本薬局方の制定をはじめとして医薬制度の整備も行われ、軍事的側面から製薬の国内生産が急務とされ、新薬メーカーが設立されて医薬品の合成を行うようになり、日本の製薬企業は合成化学を中心として発展した。第二次世界大戦以後、製薬技術の導入と新薬効成分の開発が急速に進められ、製薬企業はきわめて安定的な高度成長を遂げた。その後、1961年(昭和36)に導入された健康保険制度に支えられ、従来は一般用医薬品が中心であったのが、製薬業、医療機関ともに技術革新や新技術の導入、販売促進強化により医療用医薬品生産が伸び、1970年代には1兆円産業に発展した。
 2007年までの10年間で世界の医薬品市場は2.6倍の規模に成長し、2006年の市場規模は約80兆円といわれている。2004年の日本市場は7兆円で、北米に次ぐ世界第2位の市場を維持しているものの、2007年度のシェアは10年前の半分である。企業規模を比較すると、日本最大の製薬会社でも世界の医薬品メーカー売上高ランキングのトップ10には入っていない。薬価引き下げのあおりを受けて日本の医薬品市場の成長は抑圧されている。
 最近の新薬開発には膨大な費用が必要とされるために製薬企業は大規模になり、グローバル化している。たとえば、新しい化合物を1万種合成できたとしても、実際に製品化されるのはそのうちの一つくらいで、新薬開発には10年以上という歳月と、100億円以上という多額の費用を要する。画期的な大型新薬を開発すれば会社の業績は大きく伸びるなど、新薬開発の成否は企業の命運を左右する重要な要素となっている。
 遺伝子工学や細胞融合技術を応用して、抗生物質やワクチンあるいはインターフェロンなどの生理活性物質を薬効成分として医薬品を生産し、治療に用いることも行われている。バイオテクノロジーの技術を応用した創薬が今後の課題である。[斎藤 彌]
『吉田武美、竹内幸一編『New医薬品の安全性学』(2006・広川書店) ▽野口實著『よくわかる医薬品業界』(2007・日本実業出版社)』

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