ワイド・スクリーン(読み)ワイドスクリーン

百科事典マイペディア 「ワイド・スクリーン」の意味・わかりやすい解説

ワイド・スクリーン

大画面の映画の総称。画面を大きくすることによって迫力臨場感立体感を高めようとするもの。フランスの映画監督A.ガンスによる3台の映写機を横に連ねた〈ポリビジョン方式の映画《ナポレオン》(1925年―1926年)がその先駆とされる。しかし本格化したのはテレビジョンの普及に映画が対抗するようになってからで,1952年にステレオ音響を伴ったシネラマ,1953年にシネマスコープ,1954年にビスタビジョン,1955年には70ミリ映画が登場した。撮影機の画面寸法と上映用フィルムとの関係には各種あり,一般には上映画面の縦に対する横の比率が1.33(スタンダード・サイズ)以上をワイドとする。→全天全周映画
→関連項目アナモフィックレンズサウンド・トラックサーカラマ

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世界大百科事典(旧版)内のワイド・スクリーンの言及

【スクリーン】より


[スクリーンのサイズ]
 1940年代までの映画館は,縦横の比率が1対1.33のスタンダードのスクリーンを設置すればこと足りた。しかし50年代に入って,テレビへの対抗策としてさまざまなワイド・スクリーン映画が競作され始めたため,正面いっぱいに大スクリーンを設置し,左右および上部のスクリーン・マスクを作動させて,1.33のスタンダードから1.66~1.85の,いわゆるビスタビジョンサイズ,2.35のシネスコサイズ,さらに最大限の70mm映画(比率はトッドAOとテクニラマが2.13,MGMカメラ65/パナビジョンは2.65。なお,大型ネガによる純正70mmは70年代半ばで姿を消し,現在ではシネスコサイズのパナビジョンから拡大した70mmプリントが用いられている)まで,必要に応じて使いわけるようになった。…

※「ワイド・スクリーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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