実際には利用していないサイト使用料などを、不当な料金で請求する手法のネット詐欺のこと。たとえばサイト上のバナー広告(見出し広告)や、勧誘メールに記されているURLをクリックしてサイトにアクセスすると、いきなり「登録が完了しました」などと表示され、金額、振込先とともに「料金をお支払いください」などのメッセージが現れるため、一度クリックしただけで詐欺にあうという意味でこうよばれるようになった。「~日以内にお支払いいただけない場合は、法的措置をとります」といった恫喝(どうかつ)的な文言が添えられることもある。
画面にアクセスした本人のIPアドレスや携帯電話の機種名、現在地の都市名などが表示されることもあるため、被害者は本人が特定されたと思い込むことが多いが、実際にはこれらのサーバー上の情報から個人情報を割り出すことはできないと考えてよい。また、サイトにアクセスしただけ、あるいは契約についての十分な説明と明確な同意の意思表示なしに契約が成立することはない。つまりワンクリック詐欺は、法的に成立していない契約に基づく無効な請求であり、支払いを促されても無視してかまわない。最近ではワンクリックではなくツークリック、スリークリックで契約内容の同意を求めるなど手法が巧妙化している。ただし誤って「同意する」とした場合でも、実態が詐欺であることに変わりはなく、契約そのものが成立していないと主張できる。また本人の個人情報を伝えてしまい、詐欺グループとやりとりすることになっても電子契約法(正式名称は「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」。平成13年法律第95号)により契約の無効を主張できる。
[編集部]
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(篠崎悦子 ホームエコノミスト / 2007年)
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