精選版 日本国語大辞典 「無効」の意味・読み・例文・類語
む‐こう ‥カウ【無効】
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私法上、法律行為(契約、遺言など)が有効要件を欠き法律効果(権利義務の変動)を生じないこと。公序良俗違反の契約は無効(民法90条)、届出のない婚姻は無効(同法742条)などである。「効力を生じない」と規定する場合もある(同法113条―無権代理行為)。また、無効と同様に有効要件を欠くが、「取り消すことができる」と規定する場合がある。たとえば民法第5条は、未成年者が親権者の同意を得ないでした契約などの法律行為は、取り消すことができると規定する。無効な行為は初めから効力を生ぜず、いつでもだれでも無効を主張できるが、取り消しうる行為は、取消しがあるまでは有効で、取消しにより遡及(そきゅう)的に無効となる(同法121条)。取消権者も定まっており、取消権行使の期間制限もある(同法120条・126条)。また無効な行為は追認によっても有効とならないが、取り消しうる行為は追認により有効性が確定する(同法119条以下)。以上の原則に対し例外も多く規定されている。たとえば会社の設立無効は、会社の設立の日から2年以内に訴えをもってのみ主張することができ、訴えができる者も、株主などに限定されている(会社法828条)。なお行政行為も重大かつ明白な瑕疵(かし)があるときは無効とされる。
[伊藤高義]
『内田貴著『民法Ⅰ 第4版 総則・物権総論』(2008・東京大学出版会)』
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…ある法律行為が外形上存在していながら,その内容や成立過程に欠陥がある場合に,その行為の効力を無条件に認めることは,正義・公平の法の理念からみて適当ではない。そこで,このような場合に法律行為の効力を否定する法的手段として,民法上,〈無効〉と〈取消し〉とがある。 無効が,法律行為のなされた当初から法上当然に,すなわち何ぴとの主張をも要せずして,なんら法律効果を生じない場合をいうのに対して,取消しは,いったんは有効に法律行為としての効力を生じたのち,取消しの意思表示により原則として行為のときにさかのぼって効力を失うものとされる場合である。…
※「無効」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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