一乗要決(読み)イチジョウヨウケツ

デジタル大辞泉 「一乗要決」の意味・読み・例文・類語

いちじょうようけつ〔イチジヨウエウケツ〕【一乗要決】

平安中期の仏教書。3巻。源信著。寛弘3年(1006)成立天台宗一乗立場から唯識ゆいしき法相宗の説に反論したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「一乗要決」の意味・読み・例文・類語

いちじょうようけつ‥エウケツ【一乗要決】

  1. 三巻。源信著。天台宗の教義にのっとって一乗思想を強調した書。全体八門に分け、法相宗の五性(ごしょう)各別を説破して「一切衆生悉有仏性」の義を論じたもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「一乗要決」の意味・わかりやすい解説

一乗要決 (いちじょうようけつ)

比叡山横川(よかわ)恵心院の僧都(そうず)源信が1006年(寛弘3)に著した書。3巻。法相宗において人の資質や能力に応じて声聞(しようもん)・縁覚菩薩に固有の3種の悟りの道があるとする三乗説を反駁し,天台宗の立場から《法華経》に説く,悟りに導く教えはただ一つしかなく,いかなる衆生もすべて仏になれるとする一乗説を主張。一乗思想が真実の教えで,三乗思想が方便であることを諸経論の引用で立証した。
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