一瓢(読み)イッピョウ

精選版 日本国語大辞典 「一瓢」の意味・読み・例文・類語

いっ‐ぴょう‥ペウ【一瓢】

  1. 〘 名詞 〙 (水、主として酒の入れてある)一つのひさご。ひょうたん一つ。転じて、わずかな飲料。いささかの酒。→一箪(いったん)の食(し)一瓢の飲
    1. [初出の実例]「貧而読書。顔子豈無一瓢之飲」(出典本朝文粋(1060頃)六・申大内記木工頭并淡路守状〈藤原篤茂〉)
    2. [その他の文献]〔沈炯‐独酌謡〕

いっぴょうイッペウ【一瓢】

  1. 江戸後期の俳人川原氏。日蓮宗高僧。江戸日暮里の本行寺在住中に一茶・成美らと親交を深める。のち伊豆玉沢の妙法華寺貫主、大本山妙顕寺貫主となる。編著「物見塚記」「俳諧西歌仙」など。句集に「玉山人集」「俳三昧」がある。明和八~天保一一年(一七七一‐一八四〇

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「一瓢」の解説

一瓢 いっぴょう

1770-1840 江戸時代後期の僧,俳人。
明和7年生まれ。江戸の日蓮宗本行寺の住職。小林一茶,夏目成美らと交遊し,飄逸(ひょういつ)な句をつくる。伊豆(いず)の妙法華寺,京都の本満寺,妙顕寺の住職をへて,晩年,本行寺にかえる。天保(てんぽう)11年7月7日死去。71歳。相模(さがみ)(神奈川県)出身。姓は川原。別号に知足坊,玉山人など。法名は日桓。句集に「玉山人家集」「俳三昧」。

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