一碧湖(読み)イッペキコ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「一碧湖」の意味・わかりやすい解説

一碧湖
いっぺきこ

静岡県伊東吉田にある湖。面積0.43平方キロメートル。標高152メートル。伊豆半島最大の湖。伊豆の瞳(ひとみ)とよばれる周囲約4キロメートルの湖は、西側の大池と東側の沼沢地に分かれ、湖中に十二連島(れんとう)もある。大室山(おおむろやま)溶岩の北縁にあたり、梅ノ木平火山(うめのきだいらかざん)の溶岩や火山灰からなる台地と、溶岩流との間が閉塞(へいそく)された堰止湖(せきとめこ)であるが、東側は火口湖ともいわれる。湖の水は文政(ぶんせい)年間(1818~1830)大池の水を吉田地区の水田に導いた山中半五郎の吉田用水事業により、灌漑(かんがい)用農業用水として取水される。周辺はゴルフ場、別荘地、キャンプ場などへの改変が進み、池田20世紀美術館、伊豆一碧湖美術館も建てられ、観光開発が進んでいる。JR伊東駅からバス30分。

[北川光雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一碧湖」の意味・わかりやすい解説

一碧湖
いっぺきこ

静岡県東部,伊東市の南部にある湖。大室山,小室山の中間にあり,大室山の溶岩流による堰止湖で,湖面標高 152m,周囲約 4km,最大水深 7m。伊豆半島唯一の湖である。湖面には,12の小島が散在し,湖畔は桜の名所として知られる。一般に吉田の大池とも呼ばれ日本百景の1つ。貸ボート,キャンプ場などの施設,付近にゴルフ場もある。富士箱根伊豆国立公園に属する。

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