一落(読み)イチラク

デジタル大辞泉 「一落」の意味・読み・例文・類語

いち‐らく【一落】

事がひとまず落着すること。一段落
「―語りて、一ぷくふかして」〈総生寛・西洋道中膝栗毛
一度没落すること。「一栄一落
一つ事件一件
「この―は今日が日まで、わざと父御へ知らしませぬ」〈浄・手習鑑

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一落」の意味・読み・例文・類語

いち‐らく【一落】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 一度落ちること。
    1. [初出の実例]「花心不人心、一落応再尋」(出典菅家文草(900頃)五・落花)
  3. ( ━する ) 一度落ちぶれること。一度落ちぶれ衰えること。→一栄一落。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 一つの事件。また、ある事柄一部始終。一件。一埒(いちらつ)
    1. [初出の実例]「過ぎし春日の一落より、父の勘気を幸に」(出典:浄瑠璃・道成寺現在蛇鱗(1742)二)
  5. ( ━する ) 一つきまりがつくこと。ひと区別。一段落。
    1. [初出の実例]「一埒(イチラク)したる嬉しさは、天へも上る心地なり」(出典:浄瑠璃和田合戦女舞鶴(1736)五)

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