七戸(町)(読み)しちのへ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「七戸(町)」の意味・わかりやすい解説

七戸(町)
しちのへ

青森県南東部、上北郡(かみきたぐん)にある町。三本木(さんぼんぎ)原の北部に位置する。1902年(明治35)町制施行。2005年(平成17)上北郡天間林村(てんまばやしむら)を合併。国道4号、394号が通じる。鉄道は、2010年、JR東北新幹線の八戸―新青森間開通に伴い、七戸十和田駅が開業した。それ以前は、南部縦貫鉄道が1962年(昭和37)開業以来、東北町の千曳(ちびき)との間を結んでいた(1968年野辺地(のへじ)町まで延伸)が、経営難のため1997年(平成9)休止、2002年に廃止されていた。中世には南部氏の一族七戸氏の拠(よ)った地で、七戸氏の居城であったといわれる七戸城跡は国史跡に指定されている。江戸時代には七戸藩(盛岡新田藩)の所領で、奥州街道の宿駅であった。明治になって東北本線がこの地を避けて敷設されたため発展が遅れた。農業が主で、米、大豆、ジャガイモリンゴが栽培される。古くからの馬産地で、1896年に開設された奥羽種馬牧場(現、家畜改良センター奥羽牧場)は、第二次世界大戦まで軍馬育成で知られた。戦後は日本短角牛、黒毛和種などの肉用牛中心東日本の肉用牛改良基地となっている。牧場も多く、競走馬など軽種馬の育成も行われている。面積337.23平方キロメートル、人口1万4556(2020)。

横山 弘]


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