七部集(読み)シチブシュウ

デジタル大辞泉 「七部集」の意味・読み・例文・類語

しちぶ‐しゅう〔‐シフ〕【七部集】

俳諧七部集」の略。
「俳諧七部集」に倣い、一家または一派において選ばれた代表的な7部の集。「蕪村七部集」など。

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精選版 日本国語大辞典 「七部集」の意味・読み・例文・類語

しちぶ‐しゅう‥シフ【七部集】

  1. [ 1 ] 芭蕉一代の俳諧集の中で特に代表的な七部の書、「冬の日」「春の日」「曠野(あらの)」「ひさご」「猿蓑」「炭俵」「続猿蓑」を集めたもの。芭蕉七部集。俳諧七部集。
  2. [ 2 ] [ 一 ]にならって、個人または一派の代表集七部を集めたもの。特に「蕪村七部集」をさしていう場合がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「七部集」の意味・わかりやすい解説

七部集
しちぶしゅう

芭蕉俳諧(ばしょうはいかい)の展開上重要な撰集(せんじゅう)7部を選び集めた『俳諧七部集』(1732ころ成立か)の流行に倣って、後世、代表的な俳人の書7部を取り集めて一書として刊行することが書肆(しょし)の間で、あるいは弟子たちの間で盛んに行われた。それらのいくつかを列挙するならば、『其角(きかく)七部集』『雪門七部集』『蕪村(ぶそん)七部集』『暁台(きょうたい)七部集』『乙二(おつに)七部集』『道彦(みちひこ)七部集』『樗良(ちょら)七部集』『士朗七部集』『俳諧月居(げっきょ)七部集』などである。おおむねは書肆がベストセラーをねらっての刊行ではあったが、おのおのの俳人の俳風変遷をたどるには便利である。ただ、テキストとして用いるには、書肆の杜撰(ずさん)によってまま誤脱があるので注意しなければならない。ちなみに、『蕪村七部集』は、小本2冊で1808年(文化5)に刊行されており、実際には『其雪影(そのゆきかげ)』『あけからす』『一夜四歌仙』『花鳥篇(かちょうへん)』『桃李(ももすもも)』『続あけからす』『続四歌仙』『五車反古(ごしゃほうぐ)』の8部を収めている。

 なお、変わった七部集では、俳人個人のものではなく、近世流行の俳風を知らせようとの目的で編まれた『俳諧流行七部集』というのもある。

[復本一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七部集」の意味・わかりやすい解説

七部集
しちぶしゅう

俳諧七部集」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の七部集の言及

【俳諧七部集】より

…俳諧撰集。柳居編か。1732年(享保17)ごろ成立,刊か。芭蕉関係の俳諧撰集中,主要なものとして選ばれた7部,《冬の日》《春の日》《曠野》《ひさご》《猿蓑》《炭俵》《続猿蓑》から成る。去来,許六,支考ら芭蕉直門の間でも代表的な撰集として話題になっていたものを柳居が撰定したものと思われる。74年(安永3)に子周編の小本2冊本が刊行されて以後,広く流布した。【石川 八朗】…

※「七部集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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