芭蕉俳諧(ばしょうはいかい)の展開上重要な撰集(せんじゅう)7部を選び集めた『俳諧七部集』(1732ころ成立か)の流行に倣って、後世、代表的な俳人の書7部を取り集めて一書として刊行することが書肆(しょし)の間で、あるいは弟子たちの間で盛んに行われた。それらのいくつかを列挙するならば、『其角(きかく)七部集』『雪門七部集』『蕪村(ぶそん)七部集』『暁台(きょうたい)七部集』『乙二(おつに)七部集』『道彦(みちひこ)七部集』『樗良(ちょら)七部集』『士朗七部集』『俳諧月居(げっきょ)七部集』などである。おおむねは書肆がベストセラーをねらっての刊行ではあったが、おのおのの俳人の俳風の変遷をたどるには便利である。ただ、テキストとして用いるには、書肆の杜撰(ずさん)によってまま誤脱があるので注意しなければならない。ちなみに、『蕪村七部集』は、小本2冊で1808年(文化5)に刊行されており、実際には『其雪影(そのゆきかげ)』『あけからす』『一夜四歌仙』『花鳥篇(かちょうへん)』『桃李(ももすもも)』『続あけからす』『続四歌仙』『五車反古(ごしゃほうぐ)』の8部を収めている。
なお、変わった七部集では、俳人個人のものではなく、近世流行の俳風を知らせようとの目的で編まれた『俳諧流行七部集』というのもある。
[復本一郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…俳諧撰集。柳居編か。1732年(享保17)ごろ成立,刊か。芭蕉関係の俳諧撰集中,主要なものとして選ばれた7部,《冬の日》《春の日》《曠野》《ひさご》《猿蓑》《炭俵》《続猿蓑》から成る。去来,許六,支考ら芭蕉直門の間でも代表的な撰集として話題になっていたものを柳居が撰定したものと思われる。74年(安永3)に子周編の小本2冊本が刊行されて以後,広く流布した。【石川 八朗】…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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