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防人歌 さきもりうた

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

防人歌
さきもりうた

万葉集』に収められた防人とその近親者の詠んだ和歌。巻七,巻十三にそれらしいものが各1首,巻十四に5首,巻二十に天平勝宝7 (755) 年のもの 84首および「昔年防人歌」9首が収録されている。

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デジタル大辞泉の解説

さきもり‐の‐うた【防人歌】

防人の詠んだ歌。また、その家族などが哀別の情を詠んだものをもいう。万葉集の巻14・巻20にみえ、多く東国方言を用いる。さきもりうた。

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百科事典マイペディアの解説

防人歌【さきもりうた】

万葉集》に収められた防人とその家族の歌。巻14,20に収録され,ほとんどが短歌。東国方言もまじる素朴で率直な表現で,家族との別離や郷愁をうたっており,東歌(あずまうた)とともに古代東国民衆の生活と感情をうかがわせる貴重な資料でもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

さきもりうた【防人歌】

《万葉集》中に収められた防人および防人の家族たちの歌。〈東歌(あずまうた)〉とともに,古代東国の民衆の歌として貴重な作品群である。総数は98首,うち97首が短歌で,残る1首は長歌である。内訳は,巻十四(東歌)中の〈防人歌〉の標目下に5首,巻二十中〈天平勝宝七歳乙未二月,相替りて筑紫に遣さるる諸国の防人等の歌〉の題のもとにそれぞれの作者の名前が付記された84首(うち1首が長歌),そして〈昔年の防人の歌〉8首,〈昔年相替りし防人の歌〉1首である。

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大辞林 第三版の解説

さきもりのうた【防人歌】

防人の詠んだ歌。万葉集巻一四・巻二〇などにみえる。家族との別れや妻子を偲しのんだ、東国方言を用いた率直な歌が多い。広義には、防人の家族の歌も含める。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

防人歌
さきもりうた

防人のつくった歌の意だが、防人の家族のつくった歌も含めていう。『万葉集』に東国の防人の歌87首、父の歌1首、妻の歌10首、合計98首(長歌1首、短歌97首)が残る。このなかには、755年(天平勝宝7)2月に筑紫(つくし)(福岡県)に赴く防人を難波(なにわ)(大阪府)まで引率してきた防人部領使(さきもりのことりづかい)から、当時防人検閲の任にあった大伴家持(おおとものやかもち)が集録した歌が84首ある。これらは東国10国の国別にまとめられ作者名が記されている(防人の出身郡・地位が記されている国もある)。ほかに、同じときに磐余諸君(いわれのもろきみ)が大伴家持に贈った「昔年防人歌」8首や大原今城(いまき)が宴席で披露した「昔年相替防人歌」1首などもあるが、前記の84首以外はすべて作歌年次・作者名ともに不明。防人の歌の大部分は、生存の原点としての家郷から切り離された苦悩、原点への回帰の願望、家族への思い、また家郷から引き裂かれる将来への不安・恐怖などが生々しく歌われている。「我(わ)ろ旅は旅と思(おめ)ほど家(いひ)にして子持(め)ち痩(や)すらむ我が妻愛(みかな)しも」(巻20)はその好例の一つ。防人の家族の歌も「防人に行くは誰(た)が夫(せ)と問ふ人を見るが羨(とも)しさ物思ひもせず」(巻20)のように、夫を送り出さざるをえない妻の深く重い苦しみが詠出されている。総じて防人歌には、貴族の旅の歌とは同列に論じられない、生存の危機に立ち至った者の叫びが歌われていて、奈良時代の庶民の歌としても、また東国方言を提供する言語資料としても東歌(あずまうた)とともに貴重な存在である。[遠藤 宏]
『遠藤宏著「防人」(『万葉集講座6』所収・1972・有精堂出版) ▽吉野裕著『防人歌の基礎構造』(1943・伊藤書店/復刊・1984・筑摩書房) ▽阪下圭八著『万葉集 東歌・防人歌の心』(2001・新日本出版社) ▽水島義治著『万葉集防人歌全注釈』(2003・笠間書院)』

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