三成分系(読み)サンセイブンケイ

化学辞典 第2版 「三成分系」の解説

三成分系
サンセイブンケイ
three-component system

相平衡において独立な成分の数が3である系.相律に従えば,この系の最大自由度は4であるが,凝縮系圧力一定とすれば,一定温度では自由度は2となり,これは3成分中の2成分の濃度である.三成分系の相平衡は多くの場合,三角形状態図を用いて表される.正三角形の各頂点はそれぞれの純成分を表し,面内の任意の点から各頂点の対辺までの距離はそれぞれの頂点の成分の割合を示す.三成分系の相平衡は三角形内の曲線で表示される.温度による平衡関係の変化は,
(1)各温度ごとに三角形状態図をつくるか,
(2)正三角形を底面とし温度を垂直軸にとった三角柱で立体的に表すか,あるいは底面上への投影図を用いて表される.
3液の相互溶解度,三元合金の融点共通イオンをもつ2塩類の水への溶解度などは,三成分系相平衡の代表的な例である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

岩石学辞典 「三成分系」の解説

三成分系

三種類の成分から構成される化学系で,普通は温度-組成の正三角形を用いた三角図として表示される[Wahlstrom : 1950].正三角形の内部一点から各辺に落とした垂線の長さの和は一定であり,これを用いて三成分の量比を表す.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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