精選版 日本国語大辞典 「三拍子」の意味・読み・例文・類語
さん‐びょうし‥ビャウシ【三拍子】
- 〘 名詞 〙 ( 古くは「さんぴょうし」とも )
- ① 蹴鞠(けまり)で、鞠を一度けったのち二度めにけるまでの間に、三度足踏みして拍子をとること。〔遊庭秘抄(1360頃か)〕
- ② 小鼓(こつづみ)・大鼓(おおかわ)・笛(または太鼓)など、三種の楽器で拍子をとること。また、その拍子。
- [初出の実例]「万秋楽破・散手破、三拍子に宛る也」(出典:教訓抄(1233)九)
- ③ 三つの必要な条件。→三拍子揃う。
- [初出の実例]「山彦や滝ほととぎす三拍子〈維舟〉」(出典:俳諧・藤枝集(1674)夏)
- ④ 能楽の足拍子の一つ。左右の足で三つ踏むもの。「女郎花」の悪鬼、「竹生島」の波をけたてての類。
- ⑤ 音楽で三拍(さんぱく)を単位とする拍子。もともと三位一体の教義に由来する完全な拍子とされたが、その後各地の舞曲に基づいて、二分の三、四分の三、八分の三の拍子が発達した。〔楽典初歩(1888)〕