日本大百科全書(ニッポニカ) 「三木善八」の意味・わかりやすい解説
三木善八
みきぜんぱち
(1857―1931)
新聞経営者。安政(あんせい)3年12月25日淡路(あわじ)島に生まれる。『淡路新聞』『神戸新報』『大阪新報』の営業に関係したのち上京、矢野文雄(1850―1931)が『郵便報知新聞』の大改革を企てたとき、懇望されて1886年(明治19)9月入社、営業を助けた。1890年代に入り大隈重信(おおくましげのぶ)から経営を一任されると、1894年12月、題号を『報知新聞』に改題、高等絵入り新聞をうたって紙面を読者本位の型に切り替えた。さらに直営販売店を創設、色刷り輪転機を導入、夕刊を発行するなど、着々と改良に成功、明治末から大正期にかけて都下第一の新聞に育てあげ、「新聞経営の神様」といわれた。1924年(大正13)顧問となり、昭和6年3月7日没。
[春原昭彦]