上目(読み)ウワメ

デジタル大辞泉 「上目」の意味・読み・例文・類語

うわ‐め〔うは‐〕【上目】

顔を上げないで、目だけで上のほうを見ること。また、その目つき。「上目をつかう」⇔下目
秤竿はかりざおの上面にしるした星。また、その星を目盛りにしてはかること。少量をはかるのに用いる。⇔向こう目
物を容器ごとはかりにかけること。皆掛かいがけ。
ある分量超過すること。「一キロより少し上目だ」
すぐれていること。まさっていること。また、勝負事で、いい目。
「ひねってもひねっても二寸より―なく」〈浄・女楠

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精選版 日本国語大辞典 「上目」の意味・読み・例文・類語

うわ‐め うは‥【上目】

〘名〙
① 顔を上に向けないで、ひとみだけを動かして上の方を見ること。また、その目つき。上目づかい。⇔下目
※俳諧・西鶴五百韻(1679)早何「稲葉乱て小米屋のかか〈西鶴〉 ひすらこふ上目をつかふさほの鴈〈西花〉」
歌舞伎・早苗鳥伊達聞書(実録先代萩)(1876)二幕「殊の外酔(えい)が出て、少し上目(ウハメ)がたるんで参った」
秤竿(はかりざお)の上面に記した星。また、その星を規準として末の取緒(とりお)で量ること。少量のものを量る時に使用する。⇔向こう目
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「其後秤の上目(ウハメ)にて壱匁弐分」
④ 風袋(ふうたい)ぐるみはかりに掛けること。皆掛(かいがけ)
⑤ 一定の数量より上に出ること。余分になる数量。超過。
浄瑠璃・吉野都女楠(1710頃か)二「麦を骨牌(かるた)のかたに張り、ひねってもひねっても二寸より上目なく」
⑥ 上位の階級。⇔下目
※筆まかせ(1884‐92)〈正岡子規〉一「上等或は上目の人が読んで無礼を怒ることあるべく」

あがり‐め【上目】

〘名〙
① 目じりのつり上がった目。⇔下がり目
日本橋(1914)〈泉鏡花〉四「猿眼(さるまなこ)に、猫の目、上り目、下り目、団栗目
物事の上がりはじめの時。また、上がる兆候
※俳諧・犬子集(1633)一〇「のめや宇治茶は良薬ぞかし あかりめになる網代木のつなぎ鯉」
坂道を上がった所。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Agarime(アガリメ)〈訳〉上り坂の終わり」

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