中古品を一定額で買い取ること。メーカーや販売店が商品を売る場合、顧客が現にもっている同種の商品を買い取って、売った新品の価格からその代金を差し引く商的慣行をいう。家電製品や自動車などの耐久消費財の売買の際に、行われることがある。下取りの慣行はアメリカの自動車産業の発展とともに生まれ、中古車市場の活発化につれて盛んになった。日本では第二次世界大戦前に、自動車についてこの慣行があったが、戦後とくに経済の高度成長期に入ってからは、家電製品だけでなく、家具、カメラ、メンズスーツなど、さらには住宅などの不動産、コンピュータのような製品にも及んでいる。
下取りはもともと市場に買い換え需要をつくりだすための商法であったが、中古品市場の不活発な商品の場合には再利用には回されず一種の値引きとなっている。中古品市場の狭さや大形廃棄物の処理の困難などから、消費者もこの慣行に依存している面が大きいが、一方で省資源の見地から、この慣行の再検討を求める意見もある。
[佐藤順子]
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