下街道(善光寺街道)(読み)したかいどう

日本歴史地名大系 「下街道(善光寺街道)」の解説

下街道(善光寺街道)
したかいどう

名古屋から中山道大井おおい宿(現岐阜県恵那市)の手前まきで中山道と合する延長一三里二〇町の脇往還名古屋城下伝馬てんま町を起点大曾根おおぞね(現名古屋市)勝川かちがわ坂下さかしたと濃尾平野を北東に進み、内津うつつ川の谷を登りつめ内津峠から美濃池田いけだ(現多治見市)へ入り、土岐とき川沿いに高山たかやま(現岐阜県土岐市)土岐とき(現瑞浪市)釜戸かまど(現瑞浪市)から竹折たけおり(現恵那市)を経て追分で中山道に合している。近世以後ほとんど変化がなく、信州と伊勢を結ぶ道としては最短距離であった。「東海木曾細記」による明和二年(一七六五)における宿間の里程は、名古屋―勝川二里、勝川―坂下二里半、坂下―内津一里半、内津―池田一里八町、池田―高山二里、高山―土岐一里、土岐―釜戸一里、釜戸―大井三里となっている。

下街道という呼称道筋が確定したのは江戸時代になってからである。それ以前については史料を欠くが、街道沿いにある内々うつつ神社は式内社で、創建に関する所伝は元禄一五年(一七〇二)吉見幸和の「妙見宮由緒書」によれば、景行天皇四一年、尾張連祖建稲種命を奉祀したことに始まる。彼は日本武尊の東征に従った人物と伝えられ、春日井市内の下街道沿いの地名には、内津をはじめ日本武尊の伝説にまつわるものが多い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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