日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
世界選手権自転車競技大会
せかいせんしゅけんじてんしゃきょうぎたいかい
World Cycling Championships
国際自転車競技連合Union Cycliste Internationale(略称UCI、本部はスイスのエーグル)が主催する自転車競技の世界選手権。国や地域から選出された選手が出場する大会として、オリンピック大会に並ぶ国際大会である。世界自転車選手権、UCI世界選手権、UCIワールドカップなどともよばれる。おもな競技部門は(1)ロードレース、(2)トラックレース、(3)MTB(マウンテンバイク)、(4)BMX(バイシクルモトクロス)(5)シクロクロス。ほかにパラサイクリング部門がある。大会は年1回、部門ごとに会期が異なり、参加国の持ち回りで開催されている。競技の優勝者には五つの大陸を緑、黄、黒、赤、青のボーダーラインで表したジャージ「マイヨ・アルカンシエルMaillot arc-en-ciel(英語名称はレインボージャージ)」が授与され、翌年の世界選手権までの間、同種目に出場する際にこのジャージを着用する栄誉が与えられる。また、ロードレース競技においては、同じ年に行われるツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアでそれぞれ総合優勝し、世界選手権自転車競技大会個人ロードレースで優勝することをトリプルクラウン(三冠王)とよぶ。
国際自転車競技協会International Cycling Association(ICA)によって第1回大会が実施されたのは、1893年のシカゴ(アメリカ)においてであり、スポーツの世界選手権として長い歴史を有している。当初はトラックレースが行われ、1900年からはUCIの主催となり、1921年にロードレースが種目として加えられた。その後1950年代以降には、シクロクロス、マウンテンバイク、サイクルサッカー、BMXなどの種目が追加された。
日本人選手は1936年に開かれたチューリッヒ大会(スイス)に初出場し、1977年(昭和52)に中野浩一(1955― )がトラックレースのスプリントで、日本人として初めての金メダルを獲得した。中野はその後、同種目で10年連続の金メダルを獲得するという、優れた成績を残している。
[編集部]