中和熱(読み)チュウワネツ(英語表記)heat of neutralization

デジタル大辞泉 「中和熱」の意味・読み・例文・類語

ちゅうわ‐ねつ【中和熱】

酸と塩基との中和によって発生する反応熱通常、各1モルずつの反応によって生じる熱量の値で表す。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「中和熱」の意味・読み・例文・類語

ちゅうわ‐ねつ【中和熱】

  1. 〘 名詞 〙 酸と塩基の中和反応時に発生する熱量。ふつう、酸・塩基の各一グラム当量の発する熱量で表わす。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「中和熱」の意味・わかりやすい解説

中和熱 (ちゅうわねつ)
heat of neutralization

反応熱一種で,とくに1当量ずつの酸と塩基の中和反応に伴う熱量変化を指す。反応物が1価の強酸(たとえば塩酸)と1価の強塩基水酸化ナトリウム)で両者とも希薄水溶液の場合,その中和熱は酸,塩基の種類にかかわりなく約60kJ/molの一定値を示す。これは,希薄水溶液では両者とも完全解離しており,したがって中和反応がH⁺+OH⁻─→H2Oの反応に相当していて,他イオンの存在にほとんど影響されないためである。燃焼熱と同様に反応熱の中では大きな値の部類に属し,比較的容易にその値を決定することができる。
反応熱
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「中和熱」の解説

中和熱
チュウワネツ
heat of neutralization

酸と塩基が中和するときに放出される熱.通常,両者が1モル量ずつのときの熱量で表される.両者が強酸強塩基であり,かつ十分に希薄なときは,これらは完全に解離しているとみなされるから,中和は H とOHからH2Oを生じる反応となり,酸と塩基の種類に無関係に,中和熱は56.5 kJ mol-1(13.5 kcal mol-1)(25 ℃)となる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「中和熱」の意味・わかりやすい解説

中和熱【ちゅうわねつ】

酸と塩基を各1当量ずつとって中和させたとき発生する熱量。反応する酸・塩基の種類,濃度温度などによって異なるが,希薄溶液における強酸と強塩基の中和については,その種類によらずほとんどの場合H(+/)+OH(-/)→H2Oの反応熱に一致する(18℃ではモル当り57.3kJ)。
→関連項目反応熱

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android