中川番所(読み)なかがわばんしょ

改訂新版 世界大百科事典 「中川番所」の意味・わかりやすい解説

中川番所 (なかがわばんしょ)

江戸幕府中川下流江戸の東の小名木川との交差点に通船を対象として設けた関所中川関所ともいう。1661年(寛文1)に深川船改番所がここに移って成立。一般の関所と同じく〈入鉄砲に出女〉を取り締まったが,その点は厳しくなく,重点は川船による江戸への諸物資出入りの把握にあったので,通過荷物の検査は厳重だった。海の浦賀番所と並び,江戸を中心とする幕府の経済統制機関として,幕末まで重要な役割を果たした。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中川番所」の意味・わかりやすい解説

中川番所
なかがわばんしょ

中川御関所ともいう。江戸幕府が武蔵国中川口 (小名木川の入口) に設けた番所。初め深川の万年橋のほとりにあり,正保4 (1647) 年9月には水野忠保が深川船改番を命じられている。寛文1 (61) 年6月中川口に移転,江戸-行徳 (ぎょうとく) 間を往来する船を取調べた。『令条記』によれば,延宝4 (76) 年6月以降,(1) 江戸からの夜の出船を禁じること,(2) 女子は必ず証文を持つべきこと,(3) 鉄砲などの武具の往来に注意すべきことなどが定められた。 (→入鉄砲出女 )

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