通船(読み)ツウセン

精選版 日本国語大辞典 「通船」の意味・読み・例文・類語

かよい‐ぶねかよひ‥【通船】

  1. 〘 名詞 〙 河川、港湾などで適宜連絡に用いる小船。特に定まった船型はなく、江戸時代大坂では商家が市中川筋往来に使用するために所有する小型のひらた船をいい、運賃を取って客貨を運送することを禁じられていた。かよいせん。
    1. [初出の実例]「凉風に暑さをふいと吹やれば夏にも秋のかよひ船哉」(出典:狂歌・銀葉夷歌集(1679)二)
    2. [その他の文献]〔和漢船用集(1766)〕

つう‐せん【通船】

  1. 〘 名詞 〙 航路・河川・関所などを船が通航すること。また、その船。
    1. [初出の実例]「浦賀船積通船之儀、享保五年申渡、通船相止候品共も有之候処」(出典:御触書宝暦集成‐二九・延享四年(1747)三月)
    2. 「さて汝はかねて船をもって江都に通船(ツウセン)し運賃を取れるよしなれば」(出典:二宮尊徳翁(1891)〈幸田露伴〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む