中道政党(読み)ちゅうどうせいとう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

政策路線を一次元の分布で位置づける場合に,右派または左派にかたよらず,穏健で中間的な政党。左右どちらの政党とも連立を組むことが可能な位置であるため,政権のキャスティングボートを握ることも少なくない。穏健な路線をとる社会民主主義の政党を中道左派,穏健な保守勢力(→保守主義)を中道右派という。ヨーロッパでは,1990年代後半に中道左派政権が,2000年代に入ると中道右派政権が多く誕生した。(→革新政党保守政党

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

政治党派の対抗が二極に分化し激化したという状況にあって、中間の政治領域に位置する立場を標榜(ひょうぼう)する政党を中道政党という。第一次世界大戦後のワイマール・ドイツにおける左右に両極分解した政治状況にあって「中央党」が結党された例がある。第二次世界大戦後、日本の占領体制化において保守勢力が指導性を失い日本社会党が政局の指導権を掌握した段階で当時の連立政権が「中道政権」を自認した例がある。しかし、これまでの中道政党において、左右両極に偏らないとする立場の提示はなされてはいたが、指導理念における独自の党派的存在が確定され明示されることはなかった。

 「冷戦構造」が克服され、資本主義体制と社会主義体制の両極分解の解消が進行するにつれ、ようやく固有の政治的立場における中道政党の姿が浮上しつつある。西欧の社会民主主義政党において、市場原理と計画原理の均衡が求められ、福祉社会における社会的公正の実現を追求する「第三の道」が選択されるようになり、そこでは、中道政党の姿がかつてなく鮮明に浮かび上がる結果をもたらしている。

[高橋彦博]

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世界大百科事典内の中道政党の言及

【中道】より

…もともとは道の中央あるいは中庸公正な道の意であるが,政治用語としては,一般的に左右の政治勢力の中間に位置する政治的立場を指す。このような立場を標榜する政党が〈中道政党〉であり,この種の政党の典型としてあげられるのが,西ドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とドイツ社会民主党(SPD)の中間に立ち,1949‐66年にはCDU/CSUとの,69年以降はSPDとの〈小連立〉に参加してきた自由民主党(FDP)や,社会主義なしの社会改革を主張し,政治的スペクトル上で保守党と労働党の中間点を占めるイギリス自由党,さらに労働党よりは穏健で保守党ほど保守的でない立場を唱えて労働党からの離脱者を中心に81年3月に結成されたイギリス社会民主党などである。日本で中道勢力をめぐる論議が盛んになってきたのは,1970年代後半以来の1955年体制崩壊期においてで,〈55年体制〉下の保守・革新の二分法的政治勢力配置状況のなかで,その中間に立つ第三勢力として台頭してきた諸政党が中道勢力と呼ばれてきたが,とくに公明,民社,社会民主連合のみを指して〈中道3党〉という場合と,これに新自由クラブを加えて〈中道4党〉という場合がある(新自由クラブは1986年解党)。…

※「中道政党」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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