既成の国家体制に基本的な改革を求める政治党派が革新政党である。第二次世界大戦後、日本国憲法によってもたらされた政党政治は、200を超える大小の政党が乱立する多党化状況から始まり、やがて、米ソの「冷戦構造」を反映する保守政党と革新政党の「二大政党制」へ向かう勢いを示した。資本主義体制保持の立場にたつ日本自由党と日本進歩党が保守政党の代表であり、社会主義体制への転換を求める日本社会党と日本共産党が革新政党の代表であった。しかし、日本社会党の改革路線と日本共産党の革命路線の間には原理的な対立があり、革新政党が単一の政党となることはなかった。1950年代に入って、保守政党の側において「保守合同」が進行し、二大政党制の機運が熟したかにみえたが、「革新統一」が実現することはなく、自由民主党と日本社会党による二大政党制は「1と2分の1政党」制に終わっている。しかし、日本社会党と日本共産党、民社党、公明党などが議席の「3分の1」を占めることによって、広義における革新政党が護憲派としての役割を果たした結果となっている。1990年代以降、資本主義体制と社会主義体制が収斂(しゅうれん)する状況にあって、日本社会党は党名を社会民主党に変更し、日本共産党は綱領の改定を行って、ともに漸次的改良の党となったが、両党ともに、かつて第二次世界大戦直後期に革新政党として議会に占めた改革派としての位置と役割をみいだせないでいる。
[高橋彦博]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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