20世紀日本人名事典 「中野嘉一」の解説
中野 嘉一
ナカノ カイチ
昭和・平成期の詩人,歌人,医師 「暦象」主宰;中野神経科医院院長。
- 生年
- 明治40(1907)年4月21日
- 没年
- 平成10(1998)年7月23日
- 出生地
- 愛知県碧海郡(現・豊田市)
- 学歴〔年〕
- 慶応義塾大学医学部〔昭和6年〕卒
- 学位〔年〕
- 医学博士
- 主な受賞名〔年〕
- 中部日本詩人賞(第1回)〔昭和27年〕「春の病歴」,日本詩人クラブ賞(第9回)〔昭和51年〕「前衛詩運動史の研究」
- 経歴
- 昭和3年「詩歌」復刊号に参加。5年「ポエジイ」を創刊、新短歌運動を推進する。26年「暦象」を創刊、主宰。かたわら10年より東京武蔵野病院に勤務。太宰治が慢性パビナール中毒で入院した際の主治医となる。小説「人間失格」に登場する医師のモデルともいわれる。13年豊橋岩屋病院院長。19年応召、軍医としてメレヨン島療養所に勤務。22年三重県立宮川病院院長を経て、23年松阪市で開業。36年三重県より帰住、中野区に精神科医院を開業。著書に「パーキンソン氏病の病理」などの専門書のほか、「古賀春江―芸術と病理」「太宰治―主治医の記録」「稲垣足穂の世界」「モダニズム詩の時代」「前衛詩運動史の研究」「新短歌の歴史」などがある。また詩集「春の病歴」「メレヨン島詩集」「記憶の負担」「哲学堂公園」、歌集「秩序」などもある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報