中野秀人(読み)ナカノ ヒデト

20世紀日本人名事典 「中野秀人」の解説

中野 秀人
ナカノ ヒデト

大正・昭和期の詩人,画家,評論家,小説家,戯曲家



生年
明治31(1898)年5月17日

没年
昭和41(1966)年5月13日

出生地
福岡県福岡市

学歴〔年〕
慶応義塾大学高等予科中退,早稲田大学政経学部中退

主な受賞名〔年〕
文芸汎論詩集賞(第5回)〔昭和13年〕「聖歌隊

経歴
大正9年プロレタリア文学を論じた「第四階級の文学」が「文章世界」の懸賞論文に当選する。早大中退後は国民新聞を経て、大正11年朝日新聞記者となり、そのかたわら詩などを発表。記者生活を退め、大正15年英、仏に渡る。帰国後は詩人、評論家として活躍、昭和13年処女詩集「聖歌隊」を刊行し、文芸汎論詩集賞を受賞。14年には童話集「黄色い虹」を刊行。15年花田清輝らと「文化組織」を創刊戦後は新日本文学会などに参加し、共産党にも入党するが、36年脱退する。23年には長篇「聖霊の家」を刊行した。他の著書に「中野秀人散文自選集」「中野秀人画集・画論」などがあり、没後「中野秀人全詩集」(思潮社)が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中野秀人」の意味・わかりやすい解説

中野秀人
なかのひでと
(1898―1966)

詩人、評論家、劇作家。福岡市生まれ。政治家中野正剛(せいごう)の弟。早稲田(わせだ)大学中退。1920年(大正9)に評論『第四階級の文学』で文壇に登場し、プロレタリア文学理論の先駆となったほか、前衛的な小説や戯曲を発表した。イギリス、フランスへの留学を経て、戦時中は花田清輝(きよてる)らと『文化組織』を創刊、これを芸術的抵抗の拠点とし、活躍は戦後に及んだ。詩集『聖歌隊』(1938)、『中野秀人散文自選集』(1941)などに加え、画集や童話集もある。

[宗像和重]

『『中野秀人全詩集』(1968・思潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中野秀人」の解説

中野秀人 なかの-ひでと

1898-1966 大正-昭和時代の詩人,画家。
明治31年5月17日生まれ。中野正剛(せいごう)の弟。大正9年プロレタリア文学評論「第四階級の文学」を発表。昭和15年花田清輝(きよてる)らと「文化組織」を創刊。戦後も前衛的な創作活動をつづけた。昭和41年5月13日死去。67歳。福岡県出身。早大中退。詩集に「聖歌隊」,小説に「精霊の家」など。

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367日誕生日大事典 「中野秀人」の解説

中野 秀人 (なかの ひでと)

生年月日:1898年5月17日
大正時代;昭和時代の詩人;小説家
1966年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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