デジタル大辞泉 「乃」の意味・読み・例文・類語 だい【乃】[漢字項目] [人名用漢字] [音]ダイ(漢) ナイ(呉) [訓]なんじ すなわち の〈ダイ〉なんじ。「乃公・乃父」〈ナイ〉すなわち。そこで。「乃至ないし」[名のり]おさむ・いまし[難読]乃公おれ・木乃伊ミイラ ない【乃】[漢字項目] ⇒だい 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通 「乃」の読み・字形・画数・意味 乃人名用漢字 2画 [字音] ダイ・ナイ[字訓] すなわち・なんじ・もし[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 象形おそらく弓の弦をはずした形であろう。〔説文〕五上に「詞を曳(ひ)くことのきなり」とし、「气(き)の出だしきに象る」とするが、そのようなことを象形的に表現しうるものではない。弓弦を外してゆるめた形のままであるから、そのままの状態をいう。すなわち因仍(いんじよう)が字の原義。それを語気の上に移して、副詞的な語として用いる。それは緩急の辞にも、難易の辞にも用いる。すべて状況によってその用義が定まるので、順接としては「すなわち」、逆接としては「しかるに」、時に移しては「さきに」の意となる。二人称の名詞には、本来その字がなく、近似の音によって女・汝・而・爾・乃・戎・(若)などの音系の字を用い、このうち女・而・爾・乃は金文にもみえ、乃は多くその所有格に用いる。乃を承接の辞に用いることも、すでに金文にみえている。「もし」という仮定の用法は〔孟子、公孫丑上〕「乃ち願ふは、則ち孔子を學ばん」のような例があり、これも・如と声近く、仮借してその義に用いるものであろう。[訓義]1. そのまま、弓弦を外したまま。2. すなわち、しかるに、かえって、はじめて、さきには、ゆえに。3. なんじ、なんじの。4. もし、むしろ。[古辞書の訓]〔名義抄〕乃 イマシ・スナハチ・ミツ・ナムチ・シキリ/乃 コノコロ/無乃 ムシロ・スナハチ/乃 ムカシ 〔立〕乃 スデニ・スナハチ・カナシビニ・イマ・イマシ・ナムチ・ユユシ 〔字鏡集〕乃 スナハチ・イマイマ・ユク・オホキナリ・イマシ・セキハナレガタシ[声系]〔説文〕に乃声として・・仍・・孕など七字を収める。孕の従うところは人の側身形で、胎孕を示す字。は鼎上を蓋(おお)う形であろうが、大きな鼎の意に用いる。乃にはゆるんで大きくふくらむ意があるようである。[語系]乃n、而njiは声に通ずるところがあり、代名詞・承接の語として同じように用いる。順接にも逆接にも用いる語である。代名詞のnは秦人の語とされるものであるが、乃と同声である。[熟語]乃翁▶・乃後▶・乃公▶・乃今▶・乃時▶・乃者▶・乃誠▶・乃昔▶・乃父▶・乃郎▶・乃至▶[下接語]乃 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報